近年、都市部だけでなく地方にも出店が相次ぐ「スターバックス」は、知名度の高さから通っている方も多いことでしょう。しかし、スターバックスなどのカフェで毎日コーヒーを飲んでいると月々の生活費もかさんでしまいます。   そこで今回は、手取り22万円で毎日スターバックスに通った場合の費用を算出し、適切な支出かどうか解説します。

手取り22万円の生活費の内訳

今回の計算では、総務省が定期的に公表している「家計調査結果」から、2022年の賃貸暮らし単身世帯の平均を参照します。同資料によると、1ヶ月における生活費の内訳は表1のとおりです。
 
表1

支出項目 割合(小数点以下第二位は四捨五入) 手取り22万円の金額
家賃 30.5% 6万7100円
食費 20.6% 4万5320円
交通費・通信費 10.6% 2万3320円
娯楽・嗜好品費 10.1% 2万2220円
光熱費 6.6% 1万4520円
保険医療費 3.7% 8140円
衣服代 3.2% 7040円
生活用品費 2.5% 5500円
その他 12.0% 2万6400円

総務省家計調査より筆者作成
 
実家暮らしで家賃が発生しない場合は、上記の「家賃」をほかの費用に割り当てられます。なお「その他」の部分に関しては、該当する部分がなければ貯金としてカウントしてもよいでしょう。
 

コーヒー代は娯楽・嗜好品費

毎日のスターバックス通いが妥当かどうか判断するには、コーヒーをどの費用に割り当てるのかで話が変わります。例えば、毎日の食事のうちどれかをスターバックスで賄っている場合は、分類上「食費」です。しかし、食事ではなく休憩やカフェタイムの利用なら、食事を別で取るため「食費」にはあたりません。
 
スターバックスでコーヒーを飲むだけなら、「娯楽・嗜好品費」と捉えてよいでしょう。そのため今回の計算では、コーヒーのみを飲んだ場合を想定するため「娯楽・嗜好品費」として計算します。
 

毎日スタバに通った場合の費用

次に、1ヶ月間スターバックスに通い続けた場合の費用を算出して、手取り22万円にとって妥当かどうかを検証します。30日間毎日スタバに通うケースで計算するのは現実的とはいえないので、月のうち平日の5日間×4週の20日の費用で計算します。
 
なお、対象のドリンクはスターバックスのメニューから4つをピックアップし、表2のとおり2024年4月時点の価格を参照します。
 
表2

種類 1杯の価格(税込み) 20日間飲んだ場合の支出
ドリップコーヒー(Short) 380円 7600円
トリプルエスプレッソラテ 550円 1万1000円
季節のおすすめフラペチーノ 690円(対象商品によって変動する) 1万3800円

 

実家暮らしなら十分賄える金額

実家暮らしの場合、「家賃」の金額が自由なお金として使えます。そのため「娯楽費」の2万2220円と6万7100円を合わせて月に8万9320円使える計算です。
 
上記のメニューで一番高いフラペチーノを20日間飲み続けたとしても1万3800円となりますので、割合はおよそ15%と余裕があるといえるでしょう。
 

一人暮らしなら生活を圧迫する可能性がある

一人暮らしで家賃を払っている場合、使えるお金は娯楽費の2万2220円となります。そのため、トリプルエスプレッソラテを20日間飲み続けた金額1万1000円で計算すると、およそ50%を占めます。ドリップコーヒーの7600円でも、およそ34%となります。
 
そのため友人と遊んだり趣味にお金を使ったりすることも考えると、厳しい割合かもしれません。通い続けるには、貯金額か食費のいずれかを減らさなければならないでしょう。手取り22万円で通うことは可能ですが、生活費を圧迫する可能性は高いといえます。
 

毎日通うならマイボトルを持参しよう

スタバでは、マイボトルの持ち込みでドリンク代が22円引きになるサービスが存在します。毎日通い続けるなら、マイボトルを持ち込めば月々の費用を抑えられるでしょう。見た目も気にするなら、スタバで販売されているタンブラーを使う方法も候補に挙げられます。
 

出典

総務省統計局
家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表(「民営借家」の項を参考に、割合を算出したもので表を作成)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー