自炊は節約効果が高いといわれますが、具体的にどれくらいの予算で作るのが適切なのか気になる方も多いでしょう。   特にお昼のお弁当は、午後も頑張るために必要な食事です。貴重なエネルギー源であるため、できるだけ栄養バランスとボリュームを両立させたいでしょう。   そこで今回は、お弁当を作るときの十分な予算がどれくらいなのか詳しく解説します。

お弁当1食あたりの費用目安を算出

今回の計算では、総務省統計局の「家計調査」から2023年の2人以上勤労者世帯における食費の平均支出を参照します。
 
まずは、お弁当1食あたりにどれくらい金額がかかっているのか計算しましょう。
 

自炊弁当の費用目安

同資料によると、全国の2人以上の勤労者世帯にかかっている食費の平均支出額は月額「8万4552円」でした。詳細な内訳は、表1の通りです。
 
表1

支出項目 1ヶ月間あたりの平均金額
(1世帯の平均人数3.23人の場合)
1人あたりの食費
(小数点以下切り捨て)
穀類 6681円 2068円
魚介類 5024円 1555円
肉類 8475円 2623円
乳卵類 4180円 1294円
野菜・海藻 8068円 2497円
果物 2459円 761円
油脂・調味料 3876円 1200円
菓子類 7878円 2439円
調理食品 1万2529円 3878円
飲料 5612円 1737円
酒類 3642円 1127円
外食 1万6128円 4993円

※総務省統計局「家計調査 家計収支編(2023年)」を基に筆者作成
 
表1から、1人あたりの食費を合計すると、約2万6172円です。「菓子類」「飲料」「酒類」「外食」を除外すると、1人あたり約1万5876円という結果です。
 
この数字から、1食あたりの金額を求めます。1日3食、1ヶ月30日として計算すると、1日あたりは約529円、1食は約176円となります。昼食のお弁当が朝晩と同じだけ食費がかかっていると仮定した場合、自炊弁当の費用目安は約176円です。
 

外食費用の相場

ファストフードや全国チェーンの店舗で食事を取った場合、1食あたりのランチ費用は500円〜1000円ほどといわれています。
 
先ほど算出した自炊弁当1食あたりの金額約176円と比較すると、およそ3倍〜6倍のコストがかかることが分かります。
 
仮に週5日、1ヶ月20日の昼食が毎日外食の場合、年間の費用は約12万円〜24万円です。自炊弁当なら年間約4万2240円で済むため、およそ8万円〜20万円の節約効果が望めます。
 

毎日500円の予算をもらった場合

仮に1食あたりの予算としてパートナーから500円もらった場合、自炊弁当の1食あたりの平均金額176円を十分賄えます。1食分で324円浮く計算となるため、500円は十分といえるでしょう。
 
しかし、パートナーがたくさん食べる方なら、176円では足りないかもしれません。
 
また昨今は物価が高騰しつつあるため、2023年時点の平均額では今後足りなくなる可能性も考えられます。多めに予算を見積もっておくために、500円ほどもらっておいたほうが安心でしょう。
 

残った分は貯蓄や外食費にしよう

今回のケースでは本人も働いているため、お弁当作りにある程度体力を使うことが予想されます。平均額に近い予算をもらってもよいですが、手間賃として残り分をもらうのもひとつの方法です。
 
また決まった金額でやりくりすると計算がしやすいため、月々の家計管理にかかる負担も減らせます。残った分を外食費に回すルールにしておけば、予算をオーバーする事態も避けられるでしょう。
 
今回の計算に用いた「家計調査」において、食費は最も高い支出項目です。家庭によって食費は多少増減しますが、外食費にお金がかかっている家庭ほど自炊で高い節約効果を発揮することが期待できます。
 

外食から自炊弁当に切り替えるだけで支出は抑えられる

今回の計算で、自炊弁当は外食のおよそ3〜6倍の節約効果があることが分かりました。食事は毎日のエネルギー源であり、楽しみでもあります。満足度の高い食事にするためにも、予算は適切に振り分けましょう。
 
しかし、外食には「作らなくていい」「時間がかからない」といったメリットもあります。仕事が忙しいときは外食を使う、お弁当は決まった日だけにするなどある程度融通の利くルールにしておく方法もおすすめです。
 

出典

e−Stat 政府統計の総合窓口 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2023年 第1−1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出 二人以上の世帯のうち勤労者世帯
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー