JFA審判マネジャーの佐藤隆司氏が見解

 日本サッカー協会(JFA)は、4月3日にレフェリーブリーフィングを開催。審判交流プログラムや3月末までのJリーグの事象が取り上げられるなかで、2月24日に行われたJ1開幕節のFC町田ゼルビアとガンバ大阪の試合などが取り上げられた。

 町田とG大阪の試合では、G大阪の選手がファウルを受けているのではないかと思われる場面があった。その後、G大阪の攻撃が成功せずに町田の反撃となり、町田の選手が上げたクロスをG大阪の選手がブロックしたプレーが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入とオンフィールドレビューを経てハンドの反則と判定され、町田にPKが与えられた。

 この件についてロシア・ワールドカップ(W杯)の審判員に選出されるなど国際主審としても活躍したJFA審判マネジャーの佐藤隆司氏からは、「VARの介入からハンドの反則という考え方は正しい」として、VARが介入できる事象について説明された。

 佐藤マネジャーは「テクニカル上、(町田のタックルは)ファウル。この事象の見極めに疑いがある。ただ、そのままガンバの攻撃につながり、攻撃のスペースがあったのでプレーを流した。そのあとに町田がボールを奪ったところからは別のフェーズに入る。VARとしては、この行為をAPP(アタッキング・ポゼッション・フェーズ)内のファウルという判断をすることはできない。VARも葛藤したと話していたが、プロトコルを飛び越えて介入することはできない」と話した。

 また、佐藤マネジャーは「もし、最初のタックルが起点で町田の攻撃が始まっていれば話が変わる」と話し、その場合はVARの介入により町田のファウルを採用してゴールを取り消す判定をすることは可能だとして、G大阪の攻撃が一度続いていることがポイントになると説明していた。

FOOTBALL ZONE編集部