接客をしていると、困ったお客さんに遭遇してしまうことってありますよね。そんなとき、小学生の子どもたちに救われたことがある、という知人から聞いた話をご紹介します。

イベントスタッフのバイト

ショッピングモールでイベントスタッフのアルバイトをしたときのことです。

このイベントは買い物をするとチケットがもらえ、そのチケットでくじが引ける、というものでした。当たれば賞品が、ハズれても全員お菓子がもらえます。

賞品はお米やギフト券、テーマパークのチケットなど、数千円から数万円のものがありました。賞品が豪華なこともあり、たくさんの人で行列ができていました。

ハズレを引いた中年男性

ある中年男性がくじを引いたときのこと。残念ながらハズレだったので、「こちらの中から好きなお菓子を選んでください。」と案内しました。

すると、「これ当たり入ってないんじゃない?」と言い出した男性。

「そんなことはないですよ」と答えるも納得のいかない男性は
「じゃあ、もう1回引かせてくれよ。」と言い出しました。

『じゃあの意味がわからない……』と思いつつ、「チケットお持ちじゃないと無理なんです。」と答えるしかない私。

ですが男性はなかなか諦めてくれず、私は『どうしよう』と困っていました。

困っていたところ

すると、次に待っていた小学生の男の子のグループが

「わがまま言ったらダメだよ!」
「オレらもルール守ってんのに」と声を出してくれました。

小学生に言われると、男性もさすがに何も言えなくなったようで、恥ずかしそうに黙ってしまいました。

すると男の子の1人が、
「仕方ないな。じゃあ、特別にお菓子2つ選んでいいよ!」とまるで自分のお菓子のように言い出したのです。

私は慌てて、「いやいや! 私が怒られるから!」と言いました。
すると子どもたちが笑い出し、男性もつられて笑ってしまいました。

子どもたちのおかげで、ピリッとした空気が一気に和やかになりました。

子どもたちに感謝

男性も冷静になったようで「困らせてごめんね」と言って去って行き、私は子どもたちにお礼を伝えました。

伝え方によってはさらに事態が悪化したり、男性を一方的に非難するような形になってしまったりということもあり得たと思います。子どもたちのおかげで、とても平和的に解決しました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:橘るい