岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャスの結成30周年記念公演『儚き光のラプソディ』が東京・明治座と大阪・SkyシアターMBSで上演される。 物語の舞台は謎の白い部屋。そこへそれぞれに何かから逃げたいと考えている7人の男女が時空を超えて集まってきて……。7人のうちの一人を演じる風間俊介さんが「もう二度とお見せすることのできない芝居をします」と断言する理由とは? (構成◎丸山あかね 撮影◎本社 奥西義和)

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40歳の自分を出していきたい

最初に地球ゴージャスの舞台に参加させていただいたのは2004年。『クラウディア』という演目で20歳の僕は「竜の子」を演じました。そこからぴったり10年後に「クザリアーナの翼」に呼んでいただき、さらに10年経った今年、三度目の舞台に立つことになりました。なので「10年周期の男」と言われてます。(笑)

一度目も二度目の時も五朗さんが「また10年後な」と言ってくださって。何が嬉しいって、その約束を果たしてくれたことです。今回のお話をいただいた時も、どんな作品なのかな? とか、自分の演じる役は? と考える以前に、「あの約束だ!」ってことが脳裏に浮かんで感動しちゃいました。

『クラウディア』の時は右も左もわからなくて。でもそんな僕に、演出もしている五朗さんは「俊介はどう演じたい?」と訊いてくれるんですよね。それで「竜の子なのでちょっと爬虫類っぽい感じを出したいです」と伝えたら採用してくれて。寺さんもそうなんですが懐が広くてかっこいいんですよ。会話にはいつもユーモアが溢れていて場の空気を和ませてくれたり、メチャメチャ稽古をするんですけど、できなくても、できない人を受け止める包容力を備えていて。自分もこういう大人になりたいって思ったのを覚えてます。