いい医師、そして医師の使命とはなにか

――最後に読者に一番伝えたいことはなんでしょうか?

開業医って人生の成功者とか、楽して儲けているとか、そんなイメージがあると本を作っている中で耳に入ってきました。私は、自分が成功者だと思ったことはありません。大学人として挫折した人間だと思っています。また楽もしていません。だからこそ、いい医師とは何だろうかとか、医師の使命とは何だろうかとかを考えるようになったのは開業医になってからです。

私は毎朝緊張してクリニックへ出かけます。これも開業医になってからです。今日はどんな患者さんが来るのだろうか。ちゃんとコミュニケーションが取れるかなって考えます。おそらくみなさんが思っている以上に、開業医は真剣に患者さんに向き合っています。とはいえ、本では、おちゃらけた話も出てきます。それは患者さんに親しみを持ってもらいたくて書いたものです。医療だけでなく、どんなことでも相談してくださいというのが、私のメッセージです。