〈発売中の『婦人公論』5月号から記事を先出し!〉 宝塚歌劇の金字塔とも言える『ベルサイユのばら』は初演からちょうど50年。日本中の老若男女を熱狂させ、社会現象を巻き起こした同作は、現在に至るまで繰り返し上演されている。その黎明期に一大ブームを生み出した「ベルばら四天王」のうちの二人、榛名由梨さんと安奈淳さんが〈あの日々〉を振り返った(構成◎上田恵子)

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<前編よりつづく>

中1と小5での運命的な出会い

榛名 私たちの出会いは、子どもの頃にさかのぼります。2人とも宝塚音楽学校の中にある、小学4年生から中学3年生までが通える日曜教室「宝塚コドモアテネ」で、声楽・バレエ・日本舞踊を習っていました。

私は宝塚好きの両親の勧めで中学1年で入って、ミキちゃん(安奈さんの愛称)は小学5年生だったかな。2歳違いだったから、出会った時は話していないんだけど。第一印象は色が白くて、おとなしそうで、本ばかり読んでいるイメージだった。

安奈 よく覚えてますね。(笑)

榛名 記憶力には自信があるのよ(笑)。そこの渡り廊下にピアノがあって、あなたが上手にピアノを弾いていたの。それを見た時に、「すごくかわいらしい少女がいる。あの子が宝塚に入ったら絶対にスターになる!」って思ったわ。また指が長くてねえ。手が大きいのかな?

安奈 そう、大きいんです。

榛名 宝塚に入ってからは、安奈さんのほうが先にトップになって、私は何年か遅れてトップをさせてもらいました。安奈さんの印象は、その後もずーっと最初の頃のまんま。宝塚のフェアリー(妖精)そのものでした。