ゴールデンウイーク(GW)が4月27日、始まった。福井県内は北陸新幹線金沢−敦賀間が開業して初めてのGWを迎え、各駅では多くの旅行者の姿が見られた。観光地と結ぶ直行バスは家族連れで混み合い、飲食・土産店も客足が好調。交通・観光事業者は「5月6日の大型連休最終日まで活気を持続させたい」と期待を寄せている。

 福井駅(福井市)や敦賀駅(敦賀市)では新幹線が到着するたび、大型のスーツケースを手にした家族連れがどっと改札に流れ込んだ。埼玉県の男性(38)は5歳の娘、妻とともに福井駅東口を出ると、京福バスが運行する勝山市の福井県立恐竜博物館行きの観光バス(恐竜バス)乗り場へ。「実家が富山なので金沢まではよく行くが、新幹線が延びたので福井まで来た。恐竜好きの娘がどんな反応を見せるか楽しみ」と話した。

 恐竜バスは午前10、11時台の福井発2便は予約で満席となり、窓口担当者は「前年同期より好調」と手応えを示す。混雑を見込み西口路線バス乗り場で案内役を務めた京福バスの社員は、バスケットボール男子Bリーグ3部のプレーオフ戦がある福井県営体育館や福井県立歴史博物館などに向かう旅行者の問い合わせに応じたといい、「福井市内各地に新幹線のにぎわいが広がっている」と印象を語った。

 福井市の繁華街・片町まで足を延ばす旅行者も。ソースカツ丼が名物のヨーロッパ軒総本店を訪れた埼玉県の男性(28)は「こんなに並ぶとは」と行列に驚き、「知られざる福井の味覚を楽しむつもり」と笑顔を見せた。⇒【写真】ソースカツ丼の名物店にも行列…

 敦賀市の敦賀駅西口エリア「otta(オッタ)」に入る日本茶専門店員も昨年のGWと比べ来店者が増えているといい、「新幹線開業効果が表れている」と話す。テレビの特集で知ったという鯖街道の観光を目的に、北陸新幹線で訪れた東京都の20代カップルは「新鮮な魚を食べて、気比神宮に行きたい」と3泊4日の嶺南の旅を楽しみにしていた。

 JR西日本金沢支社によると、東京発の北陸新幹線はくたかの自由席乗車率(糸魚川駅発車時)は午前11時、午後0時台の2本が100%に達した。北陸方面行きのかがやき(全席指定)は18本中10本が事前予約で満席に、はくたか指定席は16本中9本が満席となった。北陸への入り込みは5月3日、Uターンは同5日がピークと見込んでいる。