◇国内男子◇関西オープン 最終日(19日)◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀)◇6869yd(パー70)◇雨時々曇り(観衆2593人)

スタート時に9打あった首位との差がハーフターン時に3打。一時は2打まで縮まった。雨の中、石川遼が引き連れる大ギャラリーがヒートアップする。最終日9打差逆転なら、ツアータイ記録。ところが、当の本人はホールアウト後「え?そうだったんですか?」と笑って首をかしげた。

1番で会心のバーディ発進を決め、4番は155ydの2打目を8番アイアンで60cmにつけ、7番で3m、8番で2mのチャンスを決めた。9番は8mのバーディパットがカップをなめ、11番は2m、12番は5mのチャンスを惜しくも外した。「はまれば(一日で)8、9アンダー出る確率はあると思うけど、そういう確率は低い。“普通のゴルフ”をしようと思っていました」。可能性を秘めた「65」で大会を締めくくった。

ずっと求めてきたドローボールに「確信を持てる」ようになってきた。「なんでドローがいいのかって言われると、実は僕もうまく説明できない」と笑う。かつてのタイガー・ウッズ、ロリー・マキロイが見せた弾道に憧れた。「20歳ぐらいの時は“かっこいいから”という理由だったかもしれないけど、やっぱり“ドローヒッターのスイングが好き”だった」という。

数年かけてスイング改造を続けてきたが、これまではストレートに近い、曲がり幅の小さなドローだった。「悪い時は捕まらず、そのまま右に抜けていってしまう。クローズスタンスで、少しフェースを閉じて打っていた時もありますが、そうではなく、今週の特に決勝2日間は“幅の大きなドロー”が打てました」。

今季最高の5位フィニッシュ。そして、決勝2日間は2018年6月「ダンロップ・スリクソン福島オープン」3、4ラウンド以来6年ぶりの2ラウンド連続ノーボギー。「自分の課題と向き合って、きのうのようにきょうもプレーできました」。今後が大事なことに違いはないが、自分で「確信」と口にできる手応えをかみ締めていた。(滋賀県東近江市/加藤裕一)