車検費用は高額になるため、事前に支払い方法を確認しておきたい……という人は多いのではないでしょうか。最近では、キャッシュレス決済に対応している業者も増えていますが、現金払いしか対応していない業者も多くあります。

この記事では、現金払いが必要なケースと主な支払い方法をご紹介します。

1.車検費用は法定費用と非法定費用に分けられる

車検費用は、「法定費用」と「非法定費用」に分けられます。

法定費用非法定費用
・自賠責保険料
・自動車重量税
・印紙代
・車検基本料
・部品交換費用など

法定費用は、法律によって価格が決められているため、どの業者で車検を受けても価格は同じです。法定費用の支払い先は、国や保険会社になります。

非法定費用は、それぞれの業者が設定するため、依頼する業者によって価格が異なります。非法定費用は、車検を受ける業者に支払います。

法定費用と非法定費用の内訳と計算方法は、こちらの記事でくわしく解説しておりますのでご覧ください。

2.法定費用は現金払いしか対応していない業者がある

最近では、法定費用もクレジットカードなどのキャッシュレス決済できる業者が増えていますが、現金払いしか対応していない業者も多くあります。そこで、車検を受ける業者が現金払いしか対応しない主な理由をご紹介しましょう。

(1) 手数料が業者負担になる

法定費用は、業者をとおして国や保険会社に支払われる費用であり、法定費用に業者が得る利益は含まれていません。

そのため、法定費用をクレジットカードで支払った場合、業者は法定費用の金額に応じてかかる手数料(決済事業者に支払う手数料)を負担することになります。

(2) 業者の資金繰りに影響する

認証工場は運輸局や車検場に車を持ち込んで車検するため、その場で法定費用を支払う必要があります。

クレジットカード払いは、売上が車検業者に入金されるのが数カ月後になるため、一時的に法定費用を立て替えなければなりません。

数十台の車検を受けた場合など、多額の立て替えは資金繰りに大きな影響を与えるため、現金払いしか対応していない業者があります。

3.車検費用の支払い方法

車検費用の支払い方法は主に現金払い、クレジットカード払い、ローン払いの3つがあります。

(1) 現金払い

基本的に、現金払いはどの業者に車検を依頼しても対応しています。

小規模の整備工場や業者は、現金払いしか対応していない場合があるため、事前に支払い方法を確認しておく必要があります。とくに、法定費用の支払いは現金払いしか対応していない業者もあります。

現金払いは車検を受けるタイミングでまとまったお金が必要になりますが、基本的にどの業者も現金払いに対応しているため、自分にあった業者を選ぶことが可能です。

(2) クレジットカード払い

ディーラーやカー用品店、車検専門店など、業者によってはクレジットカード払いに対応しています。

ただし、法定費用のみ現金払いになる業者もあるため、車検費用全額をクレジットカードで支払いたい場合は、対応している業者を早めに探しておきましょう。

また、一括払いではなく、分割払いやリボ払いを利用すれば、一度にまとまった金額を支払う必要がないため、経済的な負担を軽減できます。ただし、分割払いやリボ払いには利息が発生する点に注意しましょう。

(3) ローン払い

車検を依頼する業者や金融機関が取り扱うローンを利用し、車検費用を支払うことが可能です。

ただし、ローン払いには利息が発生します。利用するローンによって金利が異なるため、ローン払いを利用したい場合は、事前に複数のローンを比較することが重要です。

業者が取り扱うローンは、車検の申し込みと同時に手続きできるため、手間がかからず便利ですが、金融機関のローンと比較して金利が高い傾向にあります。

4.車検を業者に依頼する流れ

車検を業者に依頼する際に必要な書類と流れをご紹介します。

(1) 車検に必要な書類

車検を依頼する際は以下の書類が必要になるため、事前に準備・確認しておきましょう。

・車検証
・自賠責保険証明書
・自動車税納税証明書(必要な場合がある)

(2) 車検の流れ

車検を依頼する際の流れをご紹介します。

①車検の有効期間を確認する

初回の車検有効期間(新車登録時の車検)は3年間、2回目以降は2年に1回車検を受ける必要があります。

車検の有効期間は、車検証やフロントガラスに貼り付けられている検査標章のステッカーに記載されています。なお、車検は車検証に記載されている「有効期限の満了する日」の1カ月前から受けられます。

②車検の見積もりを取って予約する

車検にかかる費用を把握しておくために、見積もりを取ります。

とくに、非法定費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、価格や内容を比較・検討し、依頼する業者を決定しましょう。また、口コミや評判をWebサイトなどで確認しておくと、安心して依頼できます。

業者が決定したら、車検の日時を相談し予約します。

③車検を受ける

予約した日時に車を持ち込みます。車検は、数時間〜数日かかるため、必要に応じて代車を借りましょう。

④車検結果の説明を受け費用を支払う

車検結果(状態や部品交換)の説明を受け、車検費用を支払います。

見積もりに含まれていない部品交換や修理が発生した場合は、追加で費用が発生します。なお、法定費用を現金で先払いしている場合は、非法定費用のみ支払います。

車を引き取る際は、車検証と検査標章が届くまでの代わりとなるシール「保安基準適合標章」が貼り付けられているか確認しましょう。保安基準適合標章は、フロントガラスに貼り付けられています。

⑤新しい車検証と検査標章を受け取る

新しい車検証と検査標章の発行には、1週間〜10日程度かかります。これらを受け取ったら、保安基準適合標章を剥がし、新しい検査標章を貼り付けましょう。

5. 車検に関するQ&A

車検に関して多く寄せられるQ&Aをご紹介します。

(1) 車検費用を支払うタイミングは?

一般的には車検が完了し、車検結果の説明を受けたタイミングで支払いになります。

ただし、法定費用のみ事前に現金払い、または車検費用のうち一部だけ前払いが必要になる業者もあります。このように、業者によって支払うタイミングは異なるため、車検の見積もりを出してもらう際に確認しましょう。

(2) 車検費用を抑えるポイントは?

車検費用を抑えるポイントは以下の2つです。

1.車検を依頼するお店を慎重に選ぶ
2.自分で交換できそうな部品を先に交換する

法定費用は法律で定められており、どこで車検を受けても価格は同じです。そのため、車検費用を抑えるには上記2つのポイントをおさえ、非法定費用(車検基本料や部品交換代など)を安く済ませる必要があります。

具体的な方法は、こちらの記事でくわしく解説しています。

https://www.goo-net.com/magazine/carmaintenance/inspection/211438/

(3) 車検を依頼できる業者は?

車検は国土交通省から指定工場、または認証工場の認可を受けた、以下の業者などで受けられます。

・カーディーラー
・車検専門店
・カー用品店
・ガソリンスタンド
・民間の整備工場

業者によって、専門知識や技術、車検基本料、サービスなどが異なります。こちらの記事では、これらの業者の特徴と車検基本料の相場をご紹介しております。

6.車検に関するお悩みはグーネットピットにご相談ください

法定費用は法律で定められているため、どの業者で受けても価格は同じになります。しかし、非法定費用や支払い方法は業者によって異なるため、事前に見積もりを依頼し、費用の内訳や支払い方法・タイミングを確認しておくことが重要です。

とくに、法定費用には業者が得る利益は含まれていないため、現金払いしか対応していない業者もあります。

もし、車検に関するお悩みをお持ちでしたら、グーネットピットにご相談ください。専門スタッフが丁寧に対応いたします。

https://www.goo-net.com/pit/

著者:グーネットピット編集部