5・12横浜BUNTAI大会の世界ジュニアヘビー級選手権試合「ライジングHAYATOvsカズ・ハヤシ」へ向けた会見が8日、東京・浅草ビューホテルで行われ、両者が出席。王者・HAYATOが「色あせるよりも燃え尽きた方がいい。7月を待たずに燃え尽きさせてあげるよ」と通告すれば、13年ぶりの返り咲きを狙うカズは「ある選手と防衛したい」と戴冠後を描いた。

 世界ジュニア最多防衛記録V17を樹立しているカズは元全日ジュニアのエース。GLEAT7・1TDCホール大会での引退試合が2ヵ月を切った中、最後の世界ジュニア挑戦を果たす。王者・HAYATOからの指名で実現するもので、勝利すれば2011年1月に第28代王者から陥落以来、13年4ヵ月ぶり3度目となる。

 カズにとって世界ジュニアは「30代の青春」の思い出が詰まった特別なベルト。「やはり僕の心の隅にずっと世界ジュニアってものがあって、そしてこのまま引退するのかなって気持ちではいた」と永遠の別れを覚悟していたが、王者からの指名によって今回再会が実現。「引き寄せてくれてありがとうっていうような感覚」と感謝したカズは「何か熱がこう自分の中でさく裂してきたというかね。最後にまた獲りたい。で、世界ジュニアを僕の輝かせ方で輝かせてみたい」との思いが沸き上がったという。

 王者・HAYATOを「HAYATO選手の世界ジュニアのこの世界っていうものを僕はあのチャンピオンになった時に作り上げてる」と評価したカズ。5・6後楽園大会における前哨戦でリバースゴリースペシャルボムでKOしたばかりとあって、「僕の中ではやっぱそれも崩したいと思ってるんで。まあ、1回だけの勝負ですけども、ここで結果みせていきたい」と自信をにじませた。引退前に世界ジュニアをさらに輝かせるビジョンも出来上がっており、「一つ言えるんだったら、ある選手と防衛戦をしたいなと思ってます」と意中の相手がいることを明かした。

 迎え撃つHAYATOは2度目の防衛戦。カズとは2022年12・25後楽園大会で敗れて以来、1年5ヵ月ぶりの雪辱戦となる。「俺の中で世界ジュニアってカズ・ハヤシのベルトっていう印象が本当に悔しいけど強かった」というHAYATOは「俺の中のイメージがどうしても自分の行く道を邪魔するんだよね。だから俺はその障害物になってるカズ・ハヤシを取り除くだけだね」と象徴的な存在を超えるべく指名した。

 カズは「ベルトも一緒に眠ってもらう」と発言していたが、HAYATOは当然食い止めるのみ。「カズ・ハヤシというレスラーが引退するわけだよね。つまりレスラーとして死ぬってことだよね。だから今、この現世のベルトというお宝っていうのはあの世には持っていけないからね」と念押ししたHAYATOは「カズ・ハヤシは世界ジュニアのベルトにとって長年連れ添った元カレみたいなものだと思ってる。でも今、世界ジュニアと一緒に歩いてるのは俺」と強調。「たまに昔の元カレがちょっとだけ恋しくなることもあるだろうけど、俺がその思い出、全部消し飛ばしてあげるよ」とカズとベルトの未練を断ち切り、自分が本命であることを示すつもりで、「カズ・ハヤシっていう一人のプロレスラーに一つだけ。色あせるよりも燃え尽きた方がいい。7月を待たずに燃え尽きさせてあげるよ」とカズを引退前に完全燃焼させる構えもみせた。

【会見の模様】

▼カズ「GLEATのカズ・ハヤシです。私ですね、今年7月1日、プロレスラーを引退いたします。過去いろんな青春というものが僕の中でありまして、ただいまカズ・ハヤシ50歳の、50代の青春真っただ中。世界ジュニアを持っていた時、30代の青春をしていまして、あの青春だった世界ジュニアのベルトとともに私と一緒に眠ってもらおうと思っております」

▼HAYATO「カズ・ハヤシの最多防衛記録って17回だっけ? だよね? 世界ジュニアにとってカズ・ハヤシっていうのは長年連れ添った元カレみたいなものだと思ってる。でも今、この世界ジュニアと一緒に歩いてるのは俺だし、たまに昔の元カレがちょっとだけ恋しくなることもあるだろうけど、俺がその思い出、全部消し飛ばしてあげるよ。あと、これはベルトのことじゃなくて、カズ・ハヤシっていう一人のプロレスラーに一つだけ。色あせるよりも燃え尽きた方がいい。7月を待たずに燃え尽きさせてあげるよ」

――引退まで2ヵ月を切り、世界ジュニアに挑戦する今の思いは?

▼カズ「ぶっちゃけ言うと、引き寄せてくれてありがとうっていうような感覚でしたね。やはり僕の心の隅にずっと世界ジュニアってものがあって。そしてこのまま引退するのかなって気持ちではいたんですよ。そこをリング上からね、投げかけてくれて、何か熱がこう自分の中でさく裂してきたというかね。最後にまた獲りたい。で、世界ジュニアを僕の輝かせ方で輝かせてみたいっていう気持ちでいます」

――5・6後楽園大会で「ベルトも一緒に眠ってもらう」と発言していたが、その真意は?

▼カズ「そのままだよ。そのままですよ。引退して俺がチャンピオンのまま持っていく。このベルトと一緒に眠らせてもらうということですね」

――世界ジュニアに返り咲いたあとに描いているビジョンはある?

▼カズ「ビジョン? 一つ言えるんだったら、ある選手と防衛戦をしたいなと思ってます」

――カズ選手を指名した理由を改めて?

▼HAYATO「この世界ジュニアを獲って、一回目の防衛を果たして、悔しいけど、俺の中で世界ジュニアってカズ・ハヤシのベルトっていう印象が本当に悔しいけど強かったんだよね。その時、防衛した時にちょうどその憎いカズ・ハヤシが目の前にいたから、つい指名しちゃった」

――今回、防衛して今持っている自分が本命であることを証明すると?

▼HAYATO「そうだね。やっぱり今、世界ジュニアは俺のベルトだし、その事実は変わらないんだけど、やっぱり俺の中のイメージがどうしても自分の行く道を邪魔するんだよね。だから俺はその障害物になってるカズ・ハヤシを取り除くだけだね」

――前哨戦でKOされたが、前哨戦を通じてカズ選手から感じたことは?

▼HAYATO「まあ、当たり前のことだけど、カズ・ハヤシってもちろん強いじゃない。そりゃ俺も強い自信はあるけど、強いヤツと対峙したらどうなるかわからない。だから試合後に俺が言った、そんなに強いなら引退しなくていいんじゃないっていうのは本心なんだよね。正直、今回の防衛戦、もちろん俺が防衛するんだけど、何回も何回もしたいなっていうのが俺の本心かな」

――王者・HAYATO選手にどんな印象を抱いている?

▼カズ「もう創り上げてるでしょう。僕のことを凄い言ってくれるのはうれしいけど、HAYATO選手の世界ジュニアのこの世界っていうものを僕はあのチャンピオンになった時に創り上げてるというように感じてます。だけど、僕の中ではやっぱそれも崩したいと思ってるんで。まあ、1回だけの勝負ですけども、ここで結果みせていきたいと思います」

――カズ選手の「ベルトも一緒に眠ってもらう」という発言を聞いてどう思う?

▼HAYATO「これも前回の後楽園ホールの試合後に言ったんだけど、カズ・ハヤシというレスラーが引退するわけだよね。つまりレスラーとして死ぬってことだよね。だから今、この現世のベルトというお宝っていうのはあの世には持っていけないからね。何言ってるんだろうっていう。一緒に眠ってもらう? 世界ジュニアがかわいそうだよ」

――指名した時に「カズ・ハヤシが一番どす黒い」と言っていたが?

▼HAYATO「俺にとってプロレスって、人前で自分の中身を全部さらけ出すものだと思ってるんだよね。で、そのさらけ出した内容がいい人なのか、悪い人なのか。っていう中で何だろう。カズ・ハヤシほど浮世離れした、自己中心的な人間はいないなと。何だろう? この色。赤でもない、青でもない、黄色でもない、どす黒い色だなって。カズ・ハヤシの人間性はそう思ったよ」

――HAYATO選手の発言を聞いてどう思う?

▼カズ「ここらへんはグレーゾーンにしといてください」