◆高校野球春季関東大会▽準々決勝 花咲徳栄5−12帝京(21日・上毛新聞敷島)

 名門・帝京(東京1位)の3番・奈良飛雄馬三塁手(3年)が4回、2試合連発の3ランを放つなど、3ラン2発で花咲徳栄(埼玉1位)に8回コールド勝ち。今春の都大会1回戦から全9試合で本塁打が飛び出し、計15発と低反発の“飛ばないバット”でもアーチを量産中だ。常総学院(茨城1位)は今春センバツ優勝の健大高崎(群馬1位)に勝利。4強が出そろい、準決勝2試合は25日に行われる。

 思いこんだら試練の道を―。飛雄馬の瞳に炎が宿った。5点リードの4回無死一、二塁。184センチ、104キロの巨体で高め直球を強振した。2試合連続、左翼席中段への3ラン。「打った瞬間、入ったかなと思いました」。今春の公式戦で早くも5発目。高校通算本塁打は「数えていない。15本ぐらい」と笑った。3打数2安打3打点、2四球で15年ぶりの4強に貢献した。

 今春から高校野球では低反発バットを導入。センバツは前年の12本塁打から3本に激減したが、帝京に影響は見られない。今春の都大会1回戦から公式戦9試合で実に計15発。飛雄馬は「冬場から下半身を意識してスイングしています。冬にしっかり取り組んだので、感覚的に変わらないです」と胸を張った。

 「飛雄馬」の名は南野(西東京)の高校球児だった父・弘樹さんが命名。漫画「巨人の星」は読んだことはないが「練習の積み重ねが力になるイメージです」と語った。チームは花巻東の2年生・大谷翔平を攻略した11年夏以来、甲子園から遠ざかる。「目標は甲子園優勝。自分が全国レベルの打者にならないと、チームも上がってこない」。頂点を目指し、どんとゆ〜け〜!(加藤 弘士)