1月から放送中の「おっさんずラブ-リターンズ-」に出演中で、働きながら3歳の息子を育てるパワフルなシングルマザーを演じている内田理央。これまでもさまざまな役を演じてきた内田だが、現在シーズン3まで制作され、スペシャルドラマ版も制作されたドラマ「来世ではちゃんとします」は、内田がコメディエンヌっぷりを余すことなく発揮している作品と言っていいだろう。

こじらせ女子ながらも純粋で可愛い「桃ちゃん」を演じる内田理央
こじらせ女子ながらも純粋で可愛い「桃ちゃん」を演じる内田理央

(C)「来世ではちゃんとします3」製作委員会

いつまちゃんによる人気漫画を実写化した本作で内田が演じているのは、セフレが5人もいる"性依存系女子"の桃ちゃんこと大森桃江。そんな彼女が働くCG制作会社「スタジオデルタ」には、風俗嬢に"ガチ恋"の檜山トヲル(ラバーガール・飛永翼)、悪気なく女子に手を出す魔性のタラシ男・松田健(小関裕太)、超美人なのに恋愛に全く興味がない高杉梅(太田莉菜)、元カノのせいで女性にトラウマがある筋肉男子・林勝(後藤剛範)といった面々が揃い、社員全員、見事にこじらせている。

(C)「来世ではちゃんとします3」製作委員会

2023年に放送された「来世ではちゃんとします3」ではエログロ漫画家・リンゴちゃん(小西桜子)や松田の元カノ・華(筧美和子)など新たなキャストに加え、これまでに登場した、林に恋する青年・凪(ゆうたろう)など、濃いメンバーが集結。前作で同僚の松田と交際することになった桃江の恋の行方も描かれ、心が揺れまくる桃江を演じる内田の振り切れた演技に胸を掴まれる。

■内田が演じる"桃ちゃん"の抱きしめたくなる可愛らしさ

(C)「来世ではちゃんとします3」製作委員会

タイプが違うセフレが5人もいたのに、その反面で純粋であざとさがない性格の桃江。そんな魅力はシーズン1から変わらないが、シーズン3では、その乙女体質と優しさがさらに強調されている。

男性経験は豊富な桃江だったのに、実は初めての彼氏・松田には女子高生のようにモヤモヤ。交際して3ヶ月経ってもキスすらできない奥手女子になってしまう。一緒にいる時に松田が「この人は自分の寂しさを押し付けないけど、誰かの寂しさには敏感」と心の中で思うシーンがあるが、その心の声の通り、誰かが浮かない表情をしていただけで親身に寄り添おうとする桃江は、身近にいるとつい悩みを打ち明けたくなるようなタイプ。偏見や分け隔てがなく、林に恋する凪ちゃんとラブホ女子会で無邪気に盛り上がるシーンも。

(C)「来世ではちゃんとします3」製作委員会

そんな桃江の激しめの喜怒哀楽を内田はダイナミックに表現。欲求不満をゴミ箱の中に向けて絶叫したり、大好きな松田に本音を言えなくて、1人号泣したりと、思わず抱きしめたくなる可愛らしさも本作の魅力に繋がっている。

■"あるある"と共感!笑いながら癒される「来世ちゃん」の魅力

(C)「来世ではちゃんとします3」製作委員会

桃江や松田のみならず、「スタジオデルタ」の愛おしいこじらせ男女がいろいろなことに巻き込まれながら、依存したり、こだわりすぎたりしていた自分のことを見つめ直し、不器用ながらも勇気を出して前に進んでいこうとするターニングポイントが描かれているのがシーズン3の見どころ。ほっこりさせてくれたかと思いきや、ホラーとコメディが渾然一体の場面や、デルタチームが一丸となる青春テイストもあったりと、最終回まで飽きさせない。そして何より、視聴者を含め、誰もが持っているであろうポンコツな部分やコンプレックスを、否定せずに包み込んでくれる愛に溢れているのがいい。こじらせヒロインになりきった内田理央に、今後も桃ちゃんを演じてほしいと願わずにはいられない。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

来世ではちゃんとします3 #1
放送日時:2024年2月8日(木)3:00〜
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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