茨城県取手市教育委員会は19日、市立戸頭小に勤務していた50代の事務職員が、本来は保護者へ返金すべき就学援助費などの残額を10年間にわたり返金していなかったと発表した。未返金分は判明しているだけで168万円余りに上る。

市教委によると、同市では、経済的理由で就学が難しい児童の保護者に支給される就学援助費が市から学校に支給され、学校側が徴収する教材費や修学旅行積立金などが差し引かれる仕組み。残額は保護者に返金する決まりだが、事務職員は2014〜23年度分の返金を怠った。また、14〜19年度は給食費の一部も返金しなかった。残金は学校の金融機関口座や学校の金庫に保管されていた。

職員は、市教委などの聞き取りに私的流用を否定。「次年度の学校徴収金に未納が生じた際に充当するため一時保管するなどの対応を取っていた結果、事務手続きが複雑になった」などと話しているという。今月1日付で別の学校に異動し、現在は有給休暇中。

石塚康英教育長は同日開いた会見で「保護者や市民の皆さまにおわび申し上げる。再発防止策に注力していく」と謝罪した。

市教委は20日、戸頭小で保護者説明会を開く。