ソニーは3月28日、ミラーレスカメラ「α1」「α7S III」「α7 IV」で、画像や動画の真正性を証明する機能を提供すると発表した。同社は、この機能を「真正性ソリューション」として、報道機関を始めとするプロフェッショナル向けに展開する。「α9III」は、2024年4月以降での対応を予定している。

 この機能は、国際標準規格「C2PA」に対応しており、来歴情報や該当のカメラで撮影されたことを証明する真正性情報が、撮影時にデジタル署名としてデータにリアルタイムで埋め込まれる。署名時には「デジタル出生証明書」が作成され、イメージ検証サイトであとから出自を検証することができる。

 これにより報道機関では、C2PA準拠の編集ソフトウェアで画像の編集作業を重ねても、編集来歴情報と該当カメラで撮影されたという真正性情報を維持できるようになる。

 また、ソニー独自のセンサー内技術により、3D深度情報を含むメタデータも組み込むことができる。実際の3Dの物体を撮影したのか、画像やビデオを撮影したものかを見分けられ、報道現場でのコンテンツの信頼性を高められるとしている。

 なお、発表時点で真正性ソリューションは一部の報道機関でのみ提供(順次拡大予定)。利用するには、別のアップグレードライセンスが必要となるという。ライセンス供与などの具体的な手順は後日案内予定だ。

 ソニーはこれまでも、フェイク画像対策技術の開発を進めており、2023年11月にはAP通信と共同で画像の真正性を証明するカメラ内デジタル署名の実証実験を行っていた。同様の機能はライカが「M11-P」に搭載しており、ニコンもAFP通信と実証実験を進めている。

●カメラから直接クラウドにアップロード

 あわせて、リレー再生や動画ブリージング補正、FTP転送操作性向上など、カメラの撮影機能とワークフロー改善も実施。加えて、ソニーのクラウドサービス「Creators' Cloud」やアプリケーションにも対応。スマートフォンを介さず、カメラから画像や動画を直接アップロードできるとしている。