MotoGPポルトガルGPの舞台となるアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットでは、グラベルトラップの石がより安全なモノへ入れ替えられた。

 アルガルヴェのグラベルトラップの石はその砂礫の大きさが特徴で、2022年と2023年の開催時には転倒した時の危険性についてライダーから苦情が寄せられていた。

 2022年にはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が初日のFPで転倒した後、セーフティコミッションでの話し合いに砂礫を直接持っていくという事態になった。

 2023年はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(当時グレシーニ)がテスト中に転倒し、アスファルト上を滑ったあとにグラベルに入ったところで頭をぶつけてしまい、脳震盪でテストを欠場しなくてはならなかった。当時のディ・ジャンアントニオは「こんなところでレースをしなくちゃいけないのなら、モナコに行くべきだ」と皮肉まじりに語っている。

 ライダー達はサーキットへグラベルの改善を求め、MotoGPに対してプレッシャーをかけ続けてきた。そして2024年シーズン、アルガルヴェ側はグラベルトラップの砂礫の大部分を入れ替えた。

 サーキットの発表には「ほとんどのグラベルエリアに、新しいタイプの砂礫が敷かれ、アスファルトのランオフの一部はグラベルエリアを増やすために削減され、エアフェンスが追加された」と記されている。

 エアフェンスの設置場所はターン10だ。ここは2023年にポル・エスパルガロ(当時GASGAS)が大クラッシュを喫した地点で、彼はこのクラッシュでタイヤバリアに激突。その時負った怪我が遠因となり、同シーズン限りでMotoGPのフル参戦を終了してペドロ・アコスタにシートを譲ることになった。

 なおその他にもサーキットには改修が行なわれ、ターン4、8、14〜15にかけてライダー達がトラックリミット違反を回避できるよう、新たな縁石が設置された。