アルピーヌF1は2024年シーズン序盤厳しい戦いを強いられているが、ドライバーのピエール・ガスリー曰く、競争力を少しでも補うために「動物のように」今季マシンA524を走らせているという。

 アルピーヌの2024年マシンのA524は、これまでのところグリッド上で最も遅いマシンだとみなされており、開幕から3戦は苦戦続きだった。

 ドライバーも苦しい状況にあることは認めている。しかしガスリーは、だからといってモチベーションが損なわれることはなく、マシンを動物のようにドライビングしていると語った。

「僕はひとたびクルマに乗り込めば、動物のようになる」

 ガスリーはそう語る。

「僕が今手にしているこのパッケージで、自分にできるベストを尽くしたいと思っているんだ」

「でもたとえ素晴らしいラップができたとして、それが14番手だったり、良いレースができたと思ったら13位だったりすれば、それは凄く良いレースをして5位で終えた場合と同じ満足感があるわけじゃない」

「だから僕らは学び続け、前進していくことが最も重要なんだ。チームは本当に一生懸命やってくれていると分かっているし、パッケージ改善のために向かっている方向性も理解していて、良くなるだろうと確信しているんだ。だけど、それには時間が必要だ」

 なお第3戦オーストラリアGPで、ガスリーは遅い1度目のピットストップを行ない、レース序盤にポジションを上げたが、最終的には13位でのフィニッシュとなった。

「17番手スタートで、13位フィニッシュだった。僕らはある段階で8番手を走っていたと思うけど、そこで赤旗になってほしかったね」とガスリーは言う。

「だけどそれも僕らの試みのひとつだったんだ。僕らは何かが起こることを期待して、レースのある時点でまともなトラックポジションにいようとしている。それが、僕らには本当に必要なことなんだ」

「だからそれを除けば、今はこれ以上のことはできないと思う。先週末(サウジアラビアGP)のときと同じような話になるけど、アップデートが得られるまでは辛抱するしかないよ。今はポイント圏内からは遠く離されてしまっているからね」

 トラックポジションを上げた際のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とのバトルは楽しめたか? そうガスリーに尋ねると、彼は次のように語った。

「昨年はシーズンの同じ時期に、僕はカルロス・サインツJr.(フェラーリ)と4番手争いをしていた。今年、彼はレースに勝って、僕は13位だ」

「だからあまり楽しいというわけじゃない。でも自分たちのポジションは分かっているよ。それにここに留まるつもりはないし、チームがパフォーマンス改善のための方法を探してくれているのも信頼している。もちろん、ポイント圏内での戦いに戻るためにはもっとパフォーマンスが必要だけどね」