メルセデスF1のルイス・ハミルトンはF1日本GPの2日目を終えて、今季マシンW15のフィーリングが過去3年間でも最高のモノになっていると語った。

 ハミルトンは日本GPの予選では7番手タイムを記録。ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)からは0.569秒差。ただ4番手のカルロス・サインツJr.(フェラーリ)からは0.084秒差と僅差だった。

 グリッドポジションとしては良いものとは言えないが、ハミルトンは今回の日本GPの2日間で、チームの進むべき方向が明確になったとポジティブに感じているという。

 彼いわく、W15には日本GPで“最小限”の変更を加える必要があったものの、それは決して行き当たりばったりなモノを試していたわけではなく、マシンをより理解できている状況にあるのだという。

「マシンに乗っていてどれくらい快適に感じていたかという点で、これまでとは全然違う週末になっている」

 マシンに乗っているときの状況について尋ねられたハミルトンは、そう答えた。

「日本GPまでに僕らは本当に良い仕事をしたよ。マシンをスイートスポットに入れるにはどうすればいいのか、それを理解するために皆がファクトリーで分析を行なってくれた。今週末は走るのがずっと楽になった」

「とりわけ、(鈴鹿は)こういった良いバランスが求められるサーキットだし、過去3年間でも特に素晴らしい感じだ。昨年は1秒以上の差があったけど、今日は0.7秒だったしね」

「そして今週末は、何か行き当たりばったりで変更を加えているわけじゃない。もっと賢明な変更を加えることに集中してきたんだ。そして、それが上手く機能してくれている。もっと前に行ければと思っていたんだけど、それは残念だったね」

 ハミルトンはマシンの方向転換が鍵となる鈴鹿の、特にセクター1におけるパフォーマンスに満足できている様子だった。

「凄く励みになるよ」とハミルトンは言う。

「セクター1はいろんなサーキットの中でも最高のセクターなんだ。マシンが思い通りになっていると、信じられないほどに素晴らしい。そして、マシンの弱点を正確に感じられる場所でもある」

「ここは完璧なテストコースなんだ。常にマシンの限界が露呈し、改善すべきところはどこなのかが現れる」

「そして、今はエンジニアと話をするときに、彼らに取り組んで欲しいところをピンポイントに指摘する必要がある。それには時間も必要なんだ」

 そしてハミルトンは予選Q3における走りについて、スイートスポットを外してしまっていたわけではないとも語った。

「マシンの感じは良かったよ。最後のアタックではターン1で少しオーバーステア気味に感じていて、素晴らしいものにはならないだろうというのは分かっていたけどね」

「ターン2で0.1秒差だったんだ。その理由は分かっているけど、その他にはあまり残された部分はなかった。僕はマシンからほぼ全てのモノを引き出したんだ。僕たちは、単にパフォーマンスをさらに上げていく必要があるだけだ」

 Q3序盤には、フェルスタッペンの最初のアタックと0.5秒差と無線で伝えられた際、彼はショックを受けた様子で受け答えをしていた。

 この事についてハミルトンは「まあ、そうだったよ。あのラップは本当に良い感じだったから、期待していたんだ」と認めた。

「本当に良いラップだったと思っていたんだ。戻ってきて、そしたら0.5秒差だと聞かされたんだ。でも予想できたことだ。彼らはレッドブルだからね」

 なおハミルトンは今週末、チームメイトのジョージ・ラッセルを上回っていることについては特に重要視していないと語った。

「僕たちはチャンピオンシップを争っているわけじゃないし、ただマシンからベストを引き出そうとしているだけだ」

「だから僕にとってそういったことは何か違いがあるものじゃない。ただ予選がよりクリアになって、マシンにもっと頼れるようになっていると感じ始めているのは嬉しいね」