2024年のMotoGPが開幕し、2戦を終えた段階で分かってきたのはホンダが今シーズンも苦しい立場に置かれているということだ。しかし彼らは、後半戦には大きく改善できると期待しているようだ。

 ホンダの苦戦はここ数年続いているもので、2023年末にエースライダーのマルク・マルケスが離脱。2024年はコンセッション(優遇措置)制度を活用しながら、立て直しを図っている最中だ。

 彼らもチームや組織の改革に取り組んでいることから、オフシーズン中には楽観的な見方もあった。しかし、開幕戦と第2戦で陣営のライダー4人が予選Q2に進めず、レースでも上位争いには全く絡めない状況を見る限り、依然としてホンダは苦しい立場であることが浮き彫りとなったと言えそうだ。

 チームマネージャーであるアルベルト・プーチは、ホンダが望むようなポジションに無いことを認めつつ、トップ争いに返り咲くために全力を尽くしていると語る。

「我々は開発のプロセスの只中にあるんだ」とプーチは言う。

「進歩していると我々は考えているが、同時に他のチームもまた前へ進んでいるんだ」

「期待していたほどには追いつけていないのが今のところだが、我々に分かっている唯一のことは、自分たちにはやるべき使命があり、我々の意思も明確だということだ」

「OK、たしかにそれは簡単なことではない。しかし我々はたくさんのリソースを投下していて、このプロジェクトに対して多くのマンパワーを注いでいる」

「ライダー達はたとえパフォーマンスに100%満足していなかったとしても、我々がベストを尽くしていることを理解してくれている。我々が望んでいるような場所にまだないのは、グリッドを見れば分かるだろう。だがこれはプロセスなんだ」

「当然、我々はもっと前に行くためによりプッシュするが、現状はこうなっている。そして我々にできるのは作業を進めることだけだ」

「コーナーエントリーと立ち上がりの両方でリヤグリップを高めようとしているところだ。最近、いくつかステップを踏み出しているが、我々にはもっと必要なんだ」

 プーチはホンダの置かれた状況をそう語った。そして、ホンダはコンセッション制度を活かしてよりテストなども行なえるため、シーズン後半戦にはパフォーマンスを大きく上げていくことができると説明した。

「我々には使命があり、そして目標がある。ホンダのこともよく分かっている」

「我々はそこにたどり着くまで、止まることはない」

「コンセッションと、我々のプログラム全てを考慮すると、おそらく夏までに我々はいくつかステップを踏んでいけるだろう」

「シーズン後半戦、ミサノの後にもテストが予定されているが、大きな前進や明らかな改善がみられることを期待している」

「それが我々の期待していることであり、そう考えるのが合理的なものだ」