フォーミュラE第7戦ミサノE-Prixを勝ったポルシェのパスカル・ウェーレインは、戦略に疑問を持っていたものの、チームからの情報を信じたのは正しい判断だったと振り返った。

 ウェーレインは、レースを通じて上位を争い、終盤は日産のオリバー・ローランドと優勝争いを繰り広げた。

 レース残り5周のところでウェーレインをパスしてトップに立ったローランドは後続を引き離しにかかり、ウェーレインの1.3秒ほど前でファイナルラップに突入した。

 しかしラップカウンターの不具合により、ローランドと日産はレースを終えるために必要なエネルギー量を見誤り、電欠でスローダウン。ウェーレインが優勝を飾った。

「僕がリードをしていた時、当初はそのリードをキープする予定だった」

 そうウェーレインはレースを振り返った。

「でも彼(ローランド)がかなりプレッシャーをかけてきていて、守ろうとしたらエネルギーを失うだけだと思った」

「だから結局、ディフェンスせずに彼を通したんだ。チームからは2〜3%(ローランドよりも多く)エネルギーがあると言われ続けていたから、これにはとても驚いたし、実際ファイナルラップまでそれが正しいのかどうかも分からなかった」

「最終ラップで彼のエネルギーが尽きてしまったようだった。(チームは)本当によくやったし、最終的に情報を信じたのは正しい判断だった」

 ポルシェはフォーミュラE初開催となったダブルヘッダーのミサノで好調な結果を残した。第6戦でレース後の車検で失格とはなったもののアントニオ・フェリックス・ダ・コスタがトップチェッカーを受け、カスタマーチームであるアンドレッティのジェイク・デニスが2レースともに2位フィニッシュしている。

 ウェーレイン自身は土曜日の第6戦では集団の中でフロントウイングにダメージを負い、ピットインを強いられポイントを獲得することはできなかった。

 彼は日曜日の第7戦に向けて、チーム内をリセットする必要があったと考えていたという。

「僕たちは今日に向けてリセットが必要だった。昨日はアントニオが勝ったけれど、インシデントがなければ僕もそこにいただろう」

「僕たちにできる最善のことは、昨日のことをあまり気にせずに可能な限りベストを尽くして仕事に集中することだと思う。なぜなら今日また別のチャンスがあることは分かっていたからね。そして僕たちはそれを掴んだんだ」