MotoGP第3戦アメリカズGPで劇的な勝利を達成したアプリリアのマーベリック・ビニャーレスは、今回の勝利がスズキ、ヤマハの時代とは異なる価値があると感じられていると語った。

 ビニャーレスは2021年後半にヤマハからアプリリアへと移籍。度々速さを見せつつもアプリリアでは優勝に手が届いていなかったが、2024年第2戦ポルトガルGPのスプリントレースで勝利すると、第3戦アメリカズGPでも好調を維持した。

 アメリカズGPのスプリントレースをポール・トゥ・ウィンで制したビニャーレスは、決勝レースではスタートで10番手まで出遅れてしまった。しかしそこから見事な挽回を見せ、トップチェッカー……MotoGPクラスとしては史上初となる異なる3メーカーでの優勝という偉業を達成した。

 アプリリア移籍後初の勝利にビニャーレスは涙を流しつつ語る場面もあったが、今回の勝利は彼にとってスズキ時代とヤマハ時代とは“異なる価値”があるという。

「明らかに、このアプリリアでの勝利は異なる価値がある。僕が契約したとき、彼らは15番手や10番手だったし、僕たちがこのファクトリーをどれだけ成長させたかを目にしているんだ」

 まだグレシーニによるチーム運営だった時代を振り返りながら、ビニャーレスはそう語った。

「もちろん、僕たちは大きなメーカーなんだ。改善してより一貫性を持つためにまだ時間は必要だけど、今年は多くの可能性が僕らにはあると思う」

「賢明かつ、仕事にはとても集中していることが必要だ。特にポルティマオで起こったようなこと(ギヤボックストラブル)にはね。そしてより経験を積み、より先頭で競うことで自信を築くんだ」

「僕らはこれを続けて行く必要がある。僕たちは大きなファクトリーチームであって、そういう存在はレースをたくさん勝つものだ。(アメリカズでは)それをやり遂げたから、その仕事ぶりにはとても満足する必要があるね。ただ僕たちがやり遂げたことは、より難しいものなんだ。僕たちは後方から追い上げて、今はトップにいるんだ」


 なおビニャーレスは今シーズン、契約延長が怪しいのではないかと考える向きもあり、実際に先日ヤマハと契約延長に至ったファビオ・クアルタラロが当初アプリリアと接触していたことも分かっている。

 しかしビニャーレスは、先頭を走る時だけではなく、集団の中で走っても速いマシンを手に入れたことで、否定的な考えを間違ったものだと照明できると感じている。

「これまで、僕は今のような武器を手にしていなかった。特にオーバーテイクではね。知ってのとおり、以前は他のライダーに接近するのにかなり苦しんでいたんだ」

「でも今のバイクでは、好きなときにオーバーテイクができる。追い抜くのは簡単ではないけれど、トライできるんだ。素晴らしいことだよ」

「そのための武器を持っているんだ。常に1周目のターン1からリードできるわけではないから、これはとても重要なことだ。だから皆がブレーキングを遅らせて戦っている。僕もその中で戦っているし、これは素晴らしいことだ」