MotoGPライダーのミゲル・オリベイラ(トラックハウス)は、最近は自宅からTV観戦しているファンにライディングがあまりにも簡単なように見られてしまっていると語った。

 オリベイラが今季所属しているトラックハウスは、RNFを引き継ぐ形で2024年からMotoGPに参戦。これまでアメリカのNASCARシリーズで実績を重ねてきた背景もあり、先日行なわれたアメリカズGPに先駆けて、オリベイラ達ライダーもチームの施設を訪問する機会があった。

 この機会を得る前にはNASCARについてはあまり詳しくなかったと認めているオリベイラ。しかし、ドライバーが単に”左カーブを曲がっている”だけではなく、それを遥かに超えたシリーズの複雑さを、より理解できたと語っている。

 オリベイラはMotoGPがTV越しでは、マシンのライディングがどれほど難しいかをファンに正確に伝えられていないと感じており、NASCARの現場を訪れた経験から、より内部を見せるべきだと語った。

「スポーツの内側にいると、物事がどんな意味を持っているのかが理解できるし、テレビで見るよりも単純ではないことが分かる」

「僕らはMotoGPでも、そういったことを少し取り入れられると思う」

「現場に見に来てくれている人達は、その難しさを理解してくれていると思う」

「でも、家で見ていると違う。それだと凄く簡単そうに見えてしまうんだ」

 そしてオリベイラはNASCARで使用されているストックカーの複雑さに驚かされたと話した。

「実際のNASCARレースについて、素晴らしい洞察を得ることができたし、本当にポジティブな驚きだった」

「ピットストップのためにNASCARマシンを走らせたけど、とても充実していた」

「僕にとって(NASCARドライバー)は、マシンに乗っているだけのような人で、常に左コーナーを走っているだけだと思っていた。僕にとってはそういうものだった」

「マシンバランスの複雑さやエアロダイナミクス、そして技術的にマシンにできることの少なさを全然僕は知らなかった。フレームを分解し、レーザーで全てを測定して全てのパーツを組み込むというのが、どれほど大変な作業を意味しているのか、全く知らなかったんだ」

「ドライバーの面でも、シミュレーターでのドライブになったけど、競争力を発揮することの難しさを、間違いなく感じ取ることができた」