ヘレス・サーキットで開催されているMotoGP第4戦スペインGP。初日午後に行なわれたプラクティスではドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが最速タイムを記録した。

 MotoGPスペインGP初日は好天に恵まれ、プラクティスは気温20度、路面温度が35度のコンディションでセッションスタート時刻を迎えた。

 このセッションでトップ10に入ることで予選Q2へ直接進出できるため、プラクティスはセッション開始からしばらくはアタックが続く事が多い。スペインGPもその例に漏れず序盤から予選さながらのアタックが行なわれた。

 FP1でトップタイムだったアレックス・マルケス(グレシーニ)は好調を維持していたが、ひとまず暫定トップタイムとしたのは、1分36秒794を記録したブラッド・ビンダー(KTM)だった。

 なお序盤10分経過を前にマルコ・ベッツェッキ(VR46)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が共にターン1で転倒。ビニャーレスはバランスを崩したマシンを立て直そうと奮闘したが、持ちこたえることができなかった。共に怪我などはなく、転倒場所もピットに近かったためすぐに走行復帰のために戻った。

 アタックはその後も続き、マルケス兄弟が躍動。マルク・マルケスが3番手、弟のアレックスも4番手に並んだ。また注目を集めている新人のペドロ・アコスタ(GASGAS)も序盤からアタックを上手くまとめ、2番手となる1分37秒14を記録した。

 また残り35分頃にファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が転倒。苦戦続くヤマハは今回も浮上の芽がつかめていないようで、このときは17番手タイムに留まっていた。なおFP1から好調なアレックス・マルケスも、セッションの折り返しを目前としたタイミングで、ターン13で転倒してしまった。さらにワイルドカード参戦のダニ・ペドロサ(KTM/テストライダー)もターン2で転倒するなど、プラクティスは転倒するライダーが多かった。

 大きな動きがあったのは、残り20分というタイミング。前半で転倒したビニャーレスが走行を再開すると、アタックをまとめて1分36秒482を記録し、暫定トップが更新された。

 プラクティスが残り15分を切ると、再びタイム更新の波が訪れ、自己ベスト更新がポツポツと現れ始めた。ただ残り12分でジャック・ミラー(KTM)が転倒。その際の黄旗によってマルク・マルケスなど何人かのライダーのアタックがタイム取り消しとなる影響を被った。

 一方でアタックのタイミングがずれていたことで影響をうけなかったビニャーレスは、1分36秒125とレコードを更新する速さで自己ベストを更新。残り10分を切り、アタック合戦はさらに加速していった。

 最速ペースが連発され誰がトップとなるか全くわからない状況の中、フランチェスコ・バニャイヤが1分36秒025をマークし、トップタイムとした。

 ラストアタックではマルク・マルケスがこれを超えるかとも思われたが、コース後半のセクターでトラフィックに引っかかったため、更新はならず。プラクティスは新レコードタイムを樹立したバニャイヤが最速となった。2番手はビニャーレス、3番手がマルク・マルケスだ。

 なおワイルドカード参戦のペドロサは最終的に14番手タイム。予選はQ1からのスタートとなった。

 日本メーカー勢では、ヤマハのアレックス・リンスが15番手、ホンダは中上貴晶(LCRホンダ)が16番手でそれぞれ最上位という結果。両陣営は今回も全員がQ1スタートとなってしまった。