ブラッド・ビンダー(KTM)は開幕戦でしか表彰台を獲得できていない状態だが、第4戦スペインGPでマシンのセットアップにブレイクスルーがあったという。

 ビンダーは開幕戦ではスプリント、決勝共に2位と好結果を得た。しかしポルトガルでは一歩及ばず、そしてアメリカズGPでは様々なセットアップ変更が裏目に出てしまい、予選Q1突破にも失敗……決勝では挽回したものの9位が精一杯だった。

 開幕時の勢いを失ってしまったような形にあるビンダーだが、第4戦スペインGPではセットアップで突破口を開けたという。初日のプラクティスでは転倒もあり予選Q2への直接進出は逃してしまったものの、マシンのフロントエンドの感触が格段に良くなったと彼は感じられている。

「1日を通して、今日は本当にずっと良かった」とビンダーは言う。

「今朝は2度目の出走に向けてマシンのフロント周りに変更を施したんだけど、バイクを取り戻したような感じだよ」

「ブレーキングやコーナーへのエントリーで、もう一度フロント周りに自信を持てるようになった。最高だよ。午後(プラクティス)を通じてずっと速かったし、とてもいい感触だった」

「プッシュして速いラップを刻もうとしていたんだけど、残念ながらフロントが流されてしまった。その前のラップよりも強い風に吹かれて、足を取られてしまったんだ。ちょっと不運だったよ」

 マシンにどういった変更を施したのかについて訊くと、ビンダーは「正確にはわからないけど、フロントフォークか何かだと思う。凄く快適になった」と語った。

 ビンダーは非常に良いフィーリングとなっているため、Q2直接進出を逃したことは残念だとも付け加えた。

「正直に言って、最後の走りを除けば今年最高の日だった」

「こんなにいい感触は久しぶりなんだ。だからこそQ2進出を不運から逃してしまったのが悔やまれる」

「でも前半の2セクターだけで、僕のラップタイムは0.5秒速かった。だから大丈夫だと思う」

 なおビンダーはアメリカズGP前のモトクロストレーニング中につま先を怪我していた。スペインGP初日の転倒時に影響が無かったことは、幸運だったとビンダーは語っている。

「とてもラッキーだった。(ターン7で)クラッシュしたとき、かなり長く滑って何度も転がって止まった」

「ああ、立ち上がれたときは想像以上にラッキーだったと思ったよ」