先日、レッドブルはチーフテクニカルディレクターであるエイドリアン・ニューウェイがチームを離れることを発表。2025年3月以降はライバルチームへの移籍が可能となった。

 レッドブルは体制の維持に自信を持っているものの、ニューウェイに続いて、レッドブルでスポーティングディレクターを務めるジョナサン・ウィートリーを含む上級スタッフが他チームに引き抜かれる可能性があるようだ。

 ニューウェイの退任は、現在のF1を支配するレッドブルが覇権争いによって内部崩壊が始まっているということの表れと見るライバルもいる。マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、レッドブル所属スタッフの“履歴書”がパドック内で飛び交っていることを明かし、「さらなるドミノ倒し」を予測している。

 レッドブル所属の世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンは、ライバルがレッドブルの内紛から利益を得ようと「事態をかき乱そうとしている」とブラウンCEOのコメントを否定した。

 ただマイアミGPの決勝日には、長年レッドブルでスポーティングディレクターを務めたウィートリーがチームを去る可能性があるとTimes紙が報じた。

 56歳のウィートリーはF1でチーム代表になる野心を抱いていると言われており、情報筋によると、他チームとの事前交渉を行なっているという。

 しかしmotorsport.comの調べでは、レッドブルは状況を冷静に見ているようだ。ただウィートリーは契約更新時期を迎えており、新契約にサインする前に市場で自身の立ち位置を確認するようだ。

 レッドブルは、ウィートリーの動きについて、ドライバーが将来を決める前に他の選択肢を検討するのと同じ状況だと主張した。

 ウィートリーはレッドブルがF1に参入して翌年の2006年からチームに所属し、スポーティングディレクターとしてチームの大黒柱を務めてきた。これまでセバスチャン・ベッテルやフェルスタッペンと共に、7度のドライバーズタイトルと6度のコンストラクターズタイトル獲得に貢献してきた。

 そんなウィートリーにはここ数ヵ月、ライバルチームからの関心が寄せられており、レッドブル側はチームに引き留めようと契約更新を目指している。

 またニューウェイを獲得するのではないかと噂されるフェラーリは最近、レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェに頻繁に接触していることで知られているが、彼は先日レッドブルと新たな条件で契約を結び直した。

 レッドブルはまた、契約更新時期が近づく中で、空力主任のエンリコ・バルボとパフォーマンスエンジニアリング主任のベン・ウォーターハウスをチームに残留させようと動いている。motorsport.comの調べでは、他チームからの関心が寄せられるチーフエンジニアのポール・モナハンも同様の交渉を行なっているようだ。