富山県南砺市平地域の世界文化遺産・相倉合掌造り集落で20日、春祭りが始まった。名残の桜が舞い散る中、茅葺(かやぶ)き屋根の家並みに、住民が勇壮な獅子舞を繰り出した。21日まで。

 獅子舞を継承する相倉獅子舞保存会(中島仁司会長)のメンバーら約30人が、地主神社や合掌造り家屋の前などで「舞い込み」や「げんばやし」といった演目を披露した。

 初日は子ども5人が獅子とりを務め、上平小1年の東山千咲(ちさき)さん、田中楓子(ふうこ)さん、中島てまりさんの3人がデビューした。華やかな衣装で元気いっぱい踊る姿に、国内外から訪れた観光客や住民がカメラやスマートフォンを向け、盛んに撮影していた。

 田中さんの家族は昨年8月、富山市八尾町から一家5人で相倉に移住した。愛娘が堂々と踊る姿に、母親の史織さん(41)は「できるか心配だったが、練習の成果をしっかり発揮してくれた」と笑みを見せた。