「春分の日」とは、どんな日?

 3月20日(水)は「春分の日」です。近年、この日は「宇宙元旦」とも言われ、スピリチュアル界でも重要な日とされています。その理由とは? そして、この日にするといいことを紹介します。

 地球は太陽の周りを1年かけて一周していますが、天の赤道と黄道が交差する地点のうち、太陽が赤道を南側から北側へと通過する地点を春分点といいます。「春分の日」とは、この春分点を太陽が通過する瞬間を含む日のこと。

 地球は太陽の周りを365日かけて回ると思っている人が多いと思いますが、実はそうではありません。正確には、365日と約6時間で1回転をしています。この約6時間があることで少しずつ日にちにズレが生じ、太陽が春分点を通過する日にちが変わってくるのです。春分の日は3月21日と思っていたのに、2024年は3月20日になるのはそれが理由です。

占星術から見た「春分の日」

占星術から見た「春分の日」

「春分の日」は聞き覚えがある人は多いと思いますが、一方で「宇宙元旦」という言葉をご存知ですか? この言葉が生まれた発端は、有名な占星術師が春分の日のことをそう名づけたことから知られるようになりました。

 なぜ、元旦なのでしょうか? それは、春分の日を境に占星術では新しい周期に入るからです。12星座を思い出してください。そのスタートは、3月21日生まれのおひつじ座。つまり、春分の日からおひつじ座、うお座へと続く新しい1年が始まるのだから、春分の日は元旦のようなものであるというわけです。

 1月1日のお正月になると気分や流れる空気が一新するように、春分の日にも宇宙から降り注ぐエネルギーに変化が起こります。いい運気に乗るためには、その変化を意識し、自分をフィットさせていく必要があります。

陰陽論から見た「春分の日」

陰陽論から見た「春分の日」

 続いて陰陽論から「春分の日」を見ていきたいと思います。春分の日は昼の長さと夜の長さがほぼ同じになるため、陽と陰のバランスが均等になり、この日を境に陽の力が強まると考えられています。このように陽と陰のバランスが均等になるのは、1年の中で春分の日と秋分の日のわずか2回だけです。

 陰陽論では、この宇宙にある全てのものは全て陽と陰の2つからなり、お互いに対立したり依存し合ったりしていると考えます。人間もその宇宙の一部であるため、陽と陰のバランスが均等になる春分の日は、人間にとってベストな日といえるわけです。

仏教から見た「春分の日」

仏教から見た「春分の日」

 春分の日を中日とし、前後3日間を春のお彼岸といいます。お彼岸というと、先祖供養をする日というイメージがありますが、「彼岸」という言葉はもともと仏教用語。私たちの住んでいる世界を「此岸(しがん)」、向こう側の仏様が住んでいる世界を「彼岸(ひがん)」といいます。つまり、彼岸とは、生死の海を渡って到達する煩悩を脱した悟りの世界を意味しているのです。

 それではなぜ、春分の日周辺の期間がお彼岸とされたのでしょうか。それは、春分の日には太陽が真東から登り、真西に沈むから。真西は「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の「西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)」があるとされる方角になるため、極楽浄土に近づき修行をすべきだと考え、お彼岸がこの時期になったという説があるそうです。

 占星術、陰陽論、仏教から春分の日を見てきましたが、どの観点から見てもこれほどまで重要視されている日は他にはないかもしれません。それほど春分の日が特別なのです。

「春分の日」には何をすべき?

「春分の日」には何をすべき?

 それほど特別な「春分の日」に、運気をアップさせるために何をしたらいいのでしょうか? 最もしなければいけないことは、新しい自分へと生まれ変わること。実際に生まれ変わることはできませんが、マインドを新しくすることはできます。今までの自分を脱ぎ捨て、新しい自分になったイメージを持ってください。

 それまで持っていたものを処分し、新しいものに買い替えることもおすすめです。特に着なくなった服を処分し、新しい服を購入することはビジュアル的に新しい自分へと変わった錯覚を与えてくれるのでおすすめです。服を買い替える予定がないのなら、口紅やチークなどを今までとは違う色に変え、顔の印象を変化させてみるといいかもしれません。

 仏教的にみると春分の日周辺は修行の期間です。いつもより少しだけ頑張ってみたり、自分の限界の一歩先まで行ってみたりと、努力するといいでしょう。春分の日はエネルギーの大きな切り替えが起こるため体調を崩す人も出てくるかもしれませんが、陰陽論的に見るとバランスが整った日です。ちょっと無理をしても大きく健康を害することはないため、安心して限界を超えてください。

 スピリチュアル的に特別な日とされる春分の日。休日だからといってダラダラ過ごすのではなく、いろいろなことにアンテナを張って自分なりの修行をして過ごしてください。

(水浦裕美)