意外と「腰にも筋肉がある」ということは、忘れられがち。

二頭筋や腹筋が動いているのは日常的に見たり感じたりできますが、一方で腰は痛くなると、筋肉ではなく真っ先に背骨を傷つけたのではないかと心配になります。

実際は、背中(身体の背面)にはたくさんの筋肉があります。背中の筋肉を動かすことを恐れる必要はないですし、背中や腰の筋肉が動いているときに違和感を覚える必要もありません。

説明とおすすめをする前に、簡単に注意しておきたいことがあります。すでにお気に入りの運動がある場合、無意識に腰の筋肉を鍛えていることが多いのです。

デッドリフトの各種バリエーション、前屈の運動(ベントオーバーローなど)、またほとんどのヒンジ・エクササイズ(特に座って背中を反らせるグッドモーニング・エクササイズなど)は、腰に大きな負荷をかけます。

これから紹介するエクササイズは、もっと腰にやさしい運動をしたい場合に追加でやるといいものです。

そもそも腰の筋肉って?

腰には多くの筋肉がありますが、おそらく最大の筋肉群は、脊柱起立筋と呼ばれる互いに連結した筋肉群です。この筋肉群は、背骨の両側にある2本の縦の筋肉です。

前屈や後屈をすると、脊柱起立筋は緩んでいます。そして、体を前後に曲げた姿勢からまっすぐになる時は、脊柱起立筋が背骨をまっすぐに戻しているのです。また、背中を反らせたり、骨盤を前傾したりするのを助ける筋肉でもあります。

重いデッドリフトをやった経験がある人は、ここの筋肉を酷使する感覚がわかるでしょう。

デッドリフトのような体を曲げる動きをしている間は、ウェイトで背中が引っ張られていても、背中を比較的まっすぐに保とうとするものです(「ニュートラルスパイン」「自然なS字カーブ」というトレーナーもいます)。

背骨をまっすぐに保つために一番がんばる必要があるのが、この脊柱起立筋です。

したがって、腰のエクササイズについて話す時は、背骨を伸ばす役割を果たす脊柱起立筋(と一緒に動く多裂筋などの筋肉)について話しているようなものです。

動きについての認識合わせるために確認しましょう。

  • 体(の前面)を伸ばす、または反らすとは、後屈をする時の動き。背中の筋肉は収縮している。
  • 体(の前面)を曲げる、または丸めるとは、前屈をする時の動き。この動きの場合は腹筋が収縮している。

今回ご紹介する腰のエクササイズは、体を後方に曲げるもの

つまり、背骨をまっすぐにした姿勢から後ろに反る、もしくは前屈した姿勢から胴体(背骨)をまっすぐにする場合もあります(一方、大臀筋は股関節を伸ばしており、関連はありますが違う役割をしています。腰のエクササイズには、お尻と背中の両方の筋肉を使うことが多いです)。

自重を使ったエクササイズの例

  • スーパーマン
  • グルートブリッジ(片足または両足)
  • プランク
  • サイドプランク

初心者に最適な腰のエクササイズ:バードドッグ

バードドッグは、以前私が最高の腹筋エクササイズの記事で取り上げた、デッドバグを逆さまにしたエクササイズです(デッドバグも初心者向けでした)。

バードドッグのやり方

  1. 手と膝を地面につけた状態からはじめる。
  2. 背中をテーブルのように平らに保ちながら、片腕と反対側の脚を持ち上げる。

これがキツイと感じる人は、バードドッグの簡単バージョンもあるので大丈夫。本来のやり方でバードドッグができるようになるまで、少しずつがんばって練習していきましょう。

これが簡単にできてしまう人は、ダンベルやアンクルウェイトで負荷を加えられますが、普通のバードドッグができるようになったら、別のエクササイズに移ったほうがいいと思います。

普通のジムでできるベストなエクササイズ:バックエクステンション

普通のジムに行って周囲を見回すと、変わった角度のベンチのようなマシンがよくあると思います。そこで足と腰を固定すると、腰から前に倒れるような姿勢で、上半身を上下に動かすことができます。

このエクササイズにはいくつかのバリエーションがあります。普通は、腰から前に倒れて、常に背中をまっすぐに保てるようにします。

倒れた状態から、上体をまっすぐな位置に戻すまで上げると「バックエクステンション」。さらに、それ以上に上体を持ち上げ、背中を反らせるまで上げると「バックハイパーエクステンション」となります。

どちらも素晴らしいエクササイズですが、自分に合う方を確認してから行ないましょう。「バックエクステンション」を目指しているのに、意図せず「バックハイパーエクステンション」になってしまうのは、エクササイズをコントロールできていないということです。

このエクササイズは自重だけでも、プレートなどのウェイトを胸に抱えて行なってもOK

パワーリフティングジムでできるベストな腰のエクササイズ:リバースハイパー

パワーリフティングをする人は「リバースハイパー」というマシンを使うのが好きです。これは、基本的に前述のバックエクステンションの逆バージョンです(ハイパーは先ほどのハイパーエクステンションでもうわかりますよね?)。

Westside BarbellのオーナーLouie Simmonsが、手術後に自分の背中や腰のリハビリするためにこのマシンを発明した、という言い伝えがあります。

これが非常にうまくいって、Simmonsのジムの会員や、今では多くのパワーリフティングをする人たちが、怪我なく健康な背中を維持したり、怪我をした背中のリハビリとして、このマシンを絶賛しているのです。

とっておきのエクササイズ:ジェファーソンカール

最後に、あまり知られておらず初めて見た人が驚くものの、すばらしいエクササイズをお教えしましょう(肩のエクササイズの記事でアップライトロウのエクササイズについて知っている人は、どういうことかおわかりだと思います)。

それはジェファーソンカールです。

ジェファーソンカールのやり方

  1. ケトルベル、バーベル、または好きなウェイトを手に持つ。
  2. 前屈して背骨を丸め、腰が伸びているのを感じる。
  3. 「背骨一つ一つを戻しながら上体を起こす」ということを意識しながら起き上がる。

背中を丸める動作がありますが、いつもトレーナーに「背筋をまっすぐに伸ばして」とか「脚で持ち上げて」と言われて安全にエクササイズを行なっている人は、危険な動きに思えるかもしれません。しかし、背中は曲がるようにできており、背中を曲げることは健全で普通のことです。

当然ながら、ジムで初日に100Kg以上のウェイトでジェファーソンカールをやったりはしないでしょうが、軽いウェイトからジェファーソンカールをはじめてみましょう。新しいお気に入りの背中(腰)のエクササイズになるかもしれません(私が背中の怪我をした時は理学療法の一部にもなっていました)。

柔軟性がある人はボックスの上に立って、手を足より下に下ろすなどして、ウェイトを足の近くに持っていきます

私は、トレーナーのTasha Louieがやっている、肘でバーベルを持つザーチャースタイルでジェファーソンカールをやるのが好きです。

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