今春に生放送される、若手漫才師たちの登竜門『第13回ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ)進出をかけた最期の戦い、事前ROUND3が2月11日に放送される。司会を務めた元BiSHでタレントのモモコグミカンパニーとお笑いコンビ・藤崎マーケット(田崎佑一・トキ)に、収録後に話を訊いた。

取材・文/田辺ユウキ

■ 実は漫才経験者のモモコ「幸せな気持ち」

番組のなかで、ジャルジャルに憧れて高校時代『ハイスクールマンザイ』に挑戦したと明かしていたモモコ。あらためて当時のネタ内容について尋ねると、「猫のことを誰も知らない世界という設定で、相方が『ニャー』と言ったら私が『気持ち悪っ!』というような漫才。2人で『絶対におもしろいよね』と言っていたのですが、会場ではひとりも笑っていなくて・・・そっちの世界線は諦めました」と、漫才師として挫折した過去を持つ。

ただ、かつて爆笑をかっさらうことを夢見ていたモモコだけあって、今回、司会に抜擢されたことについて「間近で生の漫才を楽しむ機会が最近はなかったですし、才能もたくさん見ることができて幸せな気持ちです」とうれしそうな表情を浮かべた。

■ 芸人にとって…「ラストイヤー」とは

同賞の出場資格は、大阪を拠点に活動する芸歴10年目までの漫才師たち。ここまで2度おこなわれた事前ROUNDでは、芸歴4年目のぐろう、空前メテオ、芸歴5年目のハイツ友の会が勝ち名乗りをあげたが、芸歴10年目のラストイヤー組で決定戦進出を決めているのはドーナツ・ピーナツのみ。今回の事前ROUND3の出場者では、丸亀じゃんご、チェリー大作戦、バッテリィズ、たくろうの4組がラストイヤーにあたり、文字通り「最終切符」をかけてネタを披露する。

藤崎マーケットは結成9年目の2014年、ラストイヤーを迎える前に『第3回ytv漫才新人賞決定戦』で優勝を飾った。トキは「ラストイヤーのさらに1年前、2年前が、とにかくネタを書きまくらなきゃいけない時期なので、一番しんどい時期なんです。逆にラストイヤーは逃げ場もないし腹も決まっているから、『後悔のないように』と開き直れて一番良いパフォーマンスができる。そこに行くまでが大変ですね」と気持ちのあり方に違いが出ると話す。

田崎は2020年の自身の『M-1』ラストイヤー(準々決勝敗退)を例に挙げ、「思い入れが強かったから、特に集中して挑むことができました。会場に入ったところまでは覚えているけど、その先の記憶がいまだに飛んでいます」と、当時を振りかえる。「芸人にとって、賞がすべてではないですけど・・・それがすべてみたいになるんです」と、ラストイヤーと賞レースの重要性を語ってくれた。

『3度のチャンスを掴み取れ! ytv漫才新人賞 ROUND3』は2月11日、夕方4時より放送される(TVerでも見逃し配信あり)。