トップ営業マンはどのように仕事をしているのか?メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者で、経営コンサルタントの菊原智明さんは、自身が出会った、畑違いの学部から新卒で専門的な職種の営業となり、結果を出し続けている人について紹介しています。
クレームをチャンスに変えてしまう最強の営業スタッフの秘訣営業職はいろいろある。車、保険、住宅といった分かりやすい営業もあれば「工場ラインの機械のシステムを売っています」といったあまり聞きなれない法人営業もある。
機械系の営業スタッフのNさんとお会いした時のこと。かなり特殊なもの。ほとんどの人は目に触れることもないだろう。
簡単言えば“食品の工場ラインのシステムを売る”といったもの。物というよりシステムを売っている。
私は大学で機械システムを専攻していた。機械のことは他の人より知っている方だと思う。しかし、Nさんの話はかなり難解だった。
Nさんは機械とは関係ない世界からの転職。まったくの畑違い。しかし、そこで結果を出している。その秘訣をどうしても知りたかった。
Nさんは口数が少なく謙虚な人。いろいろな角度から質問しても「普通のことをしているだけですが」と答えるだけだった。こういったタイプの人から秘訣を聞き出すのは難しい。
トップ営業スタッフにも“実績を自慢してくる”といったタイプもいる。
こちらが聞かなくとも「私は人が集まるところにはすべて顔を出していますよ」などと秘訣を言ってくれる。
ちょっと自己顕示欲が強いといった人。人に話したくてしょうがないといった人。このタイプのヒアリングは楽なのだ。
しかし、Nさんはそういった話をしない。ほとんど秘訣を聞けずにいた。
話をしながら「おらそく誠実さで結果を出すタイプなんだろうな」と自分を納得させよう思っていた。
そんな時のこと。クレームの話になった時。ついに秘訣を聞くチャンスが訪れた。
話の流れで「クレームの際に軽く提案しています」といった話が聞けた。
この言葉を聞いた時「あぁ、これが秘訣なんだな」という予感がした。
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普通の営業スタッフは修理やメンテナンスなどの依頼があると“その仕事を処理して終わり”といった行動をとる。
「あぁ、終わって良かった」と胸をなでおろす。機械系の営業だったら普通はそんな感じだろう。
しかし、Nさんは違う。クレーム修理やメンテナンスをしながらも「当社にこういったサービスがありまして、いかかでしょうか?」と提案する。
クレームに関してはもちろん“最速で対応する”といったことを心がけている。
どんな仕事より優先させ駆け付ける。たとえその日にメンテンナンス部門が来られなくても「今から私が伺いますので状況を把握させてください」と言って向かう。
こういった対応は信頼を生む。しっかりとクレームを処理すれば「Nさんが担当で良かった」と思ってもらえる。
クレームが発生しないお客様に対しても同じ。きちんとメンテナンスなどに立ち会っていれば、クライアントも「Nさんは信用できる」といった印象を持つものだ。
そんな関係が構築したうえで、何かのついでで「〇〇社長のところにはこのサービスが必要だと思います。いかがですか?」とサラッと提案されたらどうだろう?
普通の社長ならば「まぁ、ちょっと考えてみるか」となるだろう。
“これから売り込みます”といった姿勢で向かえば警戒される。しかし、何かのついでで提案されると思わず受け入れてしまうもの。
Nさんがトップ営業スタッフの理由は「どんな時も営業のチャンスだ」と考えているから。シンプルな考え方だが、これは最強である。
あなたはお客様と接点(クレームでも問い合わせでも)があった際、きちんと対応したうえで「こんなサービスがありまして。どうでしょうか?」と提案しているだろうか?
営業のチャンスはいつでもどこでもあるもの。これを逃してはならない。心がけているだけでも違ってくる。
これはNさんだけではない。トップ営業スタッフと話をしていると「いやぁ〜知り合いと会った時にたまたまその話になってね。ラッキーだった」というエピソードが出てくる――(メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』2023年5月12日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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