日本一給料が高いことで有名となった「キーエンス」。営業利益で日本の平均の20倍をたたき出しているその秘密を解き明かす一冊があります。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんは今回、キーエンスの数値化メソッドを細かく記した本を紹介しています。

【キーエンスの数字力】⇒『数値化の魔力』

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『数値化の魔力』

岩田圭弘・著 SBクリエイティブ

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、2009年にキーエンスに新卒入社し、2010年新人ランキング1位、その後、2012年下期から3期連続で全社営業ランキング1位を獲得し、マネジャーに昇進した著者が、キーエンスの数値化メソッドを紹介した一冊。

営業利益で日本平均の20倍を叩き出すキーエンスの営業プロセスの秘密を明らかにした、注目の内容です。

KGI(Key Goal Indicator)を明確にする、ゴールに至るまでの行動を「業務プロセス」で分解する、分解したプロセスごとに「行動目標」を数値で設定する、というシンプルなプロセスで、そこから行動の量と質を改善していく。

行動の量を考える際、まずは「最上位のプロセス」に着目してボトルネックを見つける、行動の質を考える際には「転換率」に着目するなど、とにかく合理的で、ムダがありません。

アウトプットを高めるため、すべてのビジネスパーソンがマスターするべき、数値化の技術が書かれていると感じました。

書かれているのは、いわゆる「じょうご理論」に基づく営業改善プロセスですが、それを精緻化する視点がすごい。

営業プロセスのボトルネックを徹底して潰していく、その姿勢にキーエンスの凄さを見ました。

後半には、マネジメント向けの数値管理のコツが書かれていますが、内容的には若い人向けの本だと思います。

「頑張っているのに認められない」

「結果が出ない」

と落ち込んでいる方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

「仕事の結果」=「確率をいかに高めるか」

「確率」である以上、すべてをコントロールすることはできません。ですから、「何がコントロールできて(変数)、何がコントロールできないのか(定数)」を見極め、コントロールできるものにフォーカスをしていく

「行動の量を増やす」か「行動の質を高める」か

数字で「自分の行動」を見える化する

たとえば、「受注件数○件」を目標とする営業であれば、受注(結果)に至るまでの「DM→電話→アポ→面談→商談化」の各プロセスが「行動」になります。「採用人数○人」を目標とする人事であれば、採用(結果)に至るまでの「応募→書類選考→一次面接→二次面接→最終面接→内定承諾」の各プロセスが「行動」になります

数字から「行動の量」のボトルネックを見つける

では「行動の質」のボトルネックを見つけ出すには、どの数字を見ればいいのでしょうか。そこで、注目すべき数字が「転換率」になります

「行動の量」は原因が客観的に特定しやすいことから、「行動の量」と「行動の質」のどちらを優先的に着手すべきかというと、「行動の量」

自分の行動を見える化する3ステップ
1.ゴールを定量化する
2.ゴールに至るまでの行動を「業務プロセス」で分解する
3.分解したプロセスごとに「行動目標」を数値で設定する

振り返りは「1日」「1カ月」「3カ月」「半期」で行う

まずは「最上流のプロセス」の数字を優先して改善する

「ここさえ改善すれば、結果が“大きく”変わる点」はどこか?

「即効性」があり「効果的」な解決策を優先

同じくじょうご理論について書かれた『ザ・キャッシュマシーン』と併せて読めば、理解が深まると思います。

『ザ・キャッシュマシーン』

ぜひ、読んでみてください。

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