ヤマザキのランチパックをご存じの方は多いと思いますが、北海道では「ラブラブサンド」というそっくりな商品が定番となっているのだとか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが、パン業界の「パクリ」「パクられ」事情について明かしています。

ランチパックのライバル「ラブラブサンド」を知ってる?パン業界のパクリ合戦を問う!

誰もが知っている、ヤマザキの「ランチパック」。

耳を落とした食パンに、ピーナッツクリームやたまごフィリングが挟まれている、大人気商品です。

専門店が話題になるなど、多くの人びとに愛されています。

しかし、全国的に知られているランチパックですが、北海道では絶大な人気とは言えないようです。

ランチパックにそっくりな「ラブラブサンド」という商品が、地元のメーカーによって販売されており、こちらの方が“定番”となっています。

ソウルフードとまで言われるほどの存在です。

この商品が発売されたのは1984年。ランチパックも1984年。

同年ですが、ランチパックの方が先に、世の中に出てきました。

ですが、北海道に限っては、ラブラブサンドの方が先だったのです。

見ため、味、2個入りという形態もそっくり。

なので、ランチパックのヒットと同じ現象が、北海道内だけで先に起こったのです。

ただし後発で、かなり似ているので、パクリではないのかという疑惑が……。

ところが、そのランチパックより先に誕生していた、類似品がありました。

フジパンの「スナックサンド」です。

1975年、ランチパックより9年も前に発売されています。

現在では、ランチパックの方が人気があり、元祖のように思われていますが、実はスナックサンドの方が先なのです。

いまはフジパンもテレビコマーシャルを打っていますが、ヤマザキの方が、派手に、長く、強烈なコマーシャルを打っているため、消費者に認知され、浸透するのが早かったのです。

プロモーションが重要であることの証明です。

素晴らしいアイデアが浮かんでも、他社にマネされては、1番でいられないということです。

パン業界に限らず、食品や飲食店などでは、パクリは平然と行われています。

どうして、こんなことが許されているのでしょうか。

先端技術なら、いち早く特許を取得して、パクリを防止するのですが、食べものでは、手続きの面倒なことはやらないのが、普通のことなのでしょうか。

あまり訴訟にならないことを見込んで、大手メーカーが地方メーカーのアイデアをパクっているのではないか、という事例は多く見られます。

札幌にあるパン屋さんが生み出した「ちくわパン」という商品は、大手メーカー2社がパクっています。

滋賀のパン屋さんが生み出した「サラダパン」は、名前を変えて、他県のメーカーがパクっています。

ヤマザキの「スペシャルサンド」は、同じく滋賀のパン屋さんに、見ためのそっくりなものがあります。

どちらが先なのかはわかりませんが、一方がパクっているということになります。

小さなメーカーが生き残りを掛けて考えた商品を大手がパクっているなら、それは許されることなのでしょうか。

特許がないから構わない、で済まされることではありません。

独自性のあるものを生み出すのは簡単ではありませんが、そのままパクってしまうのは、やめて欲しいものです。

一部をマネしたとしても、メーカーの意地を見せるべきです。

長年パンを作り続けてきた職人のオリジナリティをつけ加えて欲しいと思います。

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