自社HPの情報を活用しながら店頭で接客をする方法は、多くの店が採用していますよね。しかし、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、それだけでは販売員の接客の意味がなくなるとして、もう一歩先の方法を提示しています。

WEBの情報を活用するなら、もう一歩の工夫が必要

今、自社のHPやオンラインショップのようなサイトに商品情報が一切書かれていないという企業はあまり多くありません。

よほどこだわりの強そうなコンセプチュアルな企業であればそういうところもありますが、大半の企業では店頭で扱っている自社商品の情報はWEB上に出してありますよね。

おそらくは皆さんのお勤めの企業もそういうところが多いのではないでしょうか。

こうした状況は販売員にとっては追い風です。

商品情報はお客様が事前に見てきて来店されることも多くなりますし、店頭で一緒になってそういう情報を見ながら接客をすることで、お客様も納得がしやすい環境が作れることもあります。

ですが、せっかくならもう一歩先の接客を目指してみるのも良いでしょう。

例えば、店頭で接客をしている最中にタブレット端末で目の前にある商品を見つつ、WEB上に出ている商品情報をお客様と一緒に確認するという接客。

店によっては結構あるやり方ですよね。

ここでWEBに出ている商品情報を見て、「こういう商品なんですよ」と説明するのは簡単にできます。

それこそ昨日今日入ってきた新人でも、実践できる接客法です。

ただ、これだけだと販売員がそこにいる意味はほとんどありません。

お客様が自分で見てくれればそれだけで完結することですから、販売員が接客する意味が薄くなるわけです。

ではもう一歩先のやり方とはどうするかと言うと、ネット上に出ている情報にプラスして、「だから〇〇」と伝えるのです。

ネット上の情報は必要最低限になっていること実は少なくありません。

例えば洋服の商品ページなんかだと、素材やサイズの詳細、どんなデザインなのかなどの情報はある程度載っていますし、コーディネートの提案も出てきます。

しかしそれによって目の前のお客様にどんなメリットがあるかは実はあまりわからない。

また、実際の商品を見て初めて分かるようなこともやっぱりあまりわかりません。

ここは接客をしている販売員だからこそ伝えられることでして、「だからお客様にとっては〇〇なんです」とメリットを伝える接客をしたり、実際に商品を触りながらだからこその情報を伝える接客はできるんですね。

こういう情報にこそお客様は価値を感じ、購買意欲が刺激されます。

「貴重な〇〇産のコットンを使っている」という情報がWEBで見られるのなら、

「だから触ってみてもらえると分かる通り、]こんなに滑らかな質感なんです」という接客のイメージです。

これもWEB上で書かれていることの証明をする接客になりますが、お客様には実感(体感)が生まれるので良さが伝わりやすくなります。

お客様のニーズや情報を知っていれば、その商品の情報から繋げて、「こういうニーズだから、この商品がこんなに活躍する」という接客もできますよね。

この接客の中にWEBの情報を取り入れることによって、販売員が口で言うだけの情報とは違った説得力や納得感を生み出すことができるわけです。

せっかく店頭でWEB情報を活用した接客をするのであればさらにもう一歩、販売員がいるからこその接客をやっていきましょう。

今日の質問&トレーニングです。

1)店頭での接客でWEB情報を活用すると、販売員側とお客様側にとってどのようなメリットがありますか?

2)本文のような接客をするとしたら、自店ではどんな情報を伝えられますか?

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