お客様が買い物をしただけなのに「いいことをした気分」と思える会話ってどんなものでしょうか?無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、自身が経験した販売員との会話を紹介し、数字以外の嬉しさを伝えることの大切さについて語っています。

数字以外の嬉しさを伝えることの大切さ

先日とあるアパレルショップのWEBでパンツを購入しました。

そのパンツがかなり良かったので、たまたま仕事でショップのある近くを通ったこともあって、色違いを買いに寄ったのです。

そこで接客をしてくれた販売員の方といろいろと話しながら、「このパンツが良かったから色違いも買おうと思ってて」という話になりました。

どうやらオリジナルのブランドだったらしく、販売員の方は、「嬉しいです。デザイナーも喜ぶと思います」という話をしてくれていました。

チェーンストアだったこともあり、たぶん、その後販売員の方がデザイナーに直接伝える機会はないでしょう。

でも、こういう一言って良いなと思います。

本当に伝えられるかどうかよりも、『喜ぶ人がいる』ということをお客様に伝えているということがです。

商品が売れるということは、普通は店の売上や利益という点にしか影響を与えません。

お客様もそういう感覚は持っていて、

『商品を買う→店の売上になる』

という概念で商品を買っています。(そこまで深くは考えてませんが)

だから売れて嬉しい人というのは店のスタッフであり、嬉しい理由も数字でしかないという感覚はあるのです。

特にチェーンストアだったりすると、そういう感覚は強くなりますよね。

でも、数字以外の面でも売れることが喜ばしい人って実は結構います。

バイイングをしているバイヤーや、デザインに携わっているデザイナーや、制作に携わっているパタンナーや職人など、様々な人が関わって商品は生まれます。

その商品が褒められる、買ってもらえるというのはつまり、その人たちの仕事の評価でもあるわけです。

結果的にそれは数字でしか見えないものかもしれませんが、確かに嬉しい人たちはいるんですね。

今回のスタッフの方は、「デザイナーも喜ぶと思います」という言葉でその人たちの顔を僕の頭の中に浮かべてくれました。

僕は自分の買い物をしただけなのに、謎に「なんか良いことした気分」になってしまったのです。

そういう感覚が残っていると、「また次に行ってみようかな」「またそんな話もしてみようかな」と考えてもしまいます。

数字以外の嬉しい理由って、こういう影響があるんですね。

改めて自分でももっと言っていこうと思わされました。

今日の質問&トレーニングです。

1)自店の商品を買ってもらうことで、数字面以外で嬉しい理由や人には、どんなものがありますか?

2)そのことをお客様にどのように伝えると、お客様は「なんだか良いことをした気分」になってくれそうですか?

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