「もうやめて! 作画のライフはゼロよ!!」

「ストーリーが秀逸なアニメ」「声優陣が豪華なアニメ」など、作品によって話題になるポイントはさまざまですが、「作画の良さ」も注目ポイントのひとつです。作画がいまひとつだったり、きれいなのにどこか微妙だったりと、何かと物議をかもしやすいポイントでもあります。ネット上で「作画以外はほぼ満点に近い…」「良い時と悪い時の差が激しい」と話題の、作画に物議をかもした2024冬アニメを3作品、みてみましょう。

●『勇気爆発バーンブレイバーン』

 人型装甲兵器「ティタノストライド=通称TS(ティーエス)」のパイロットであるイサミ・アオ(CV:鈴木崚汰)は、陸上自衛隊に所属しています。ある日、各国軍がハワイに集結して演習を行っていると、上空から謎の物体が落下して、演習場を襲いました。

 急な襲来に、パイロットたちは訳も分からぬまま、実践へと赴くことに。仲間を助けようとTSを降りたイサミも、敵の砲撃に狙われますが、何者かがそれを防ぎます。「さあ、私に乗ってくれ」。イサミを守ったのは、ブレイバーン(CV:鈴村健一)という人型ロボットでした。

『勇気爆発バーンブレイバーン』は、Cygamesが企画したオリジナルアニメです。全体的に作画クオリティが高く、ロボや女性キャラの描写に評判が集まっている本作ですが、「肌面積が多くて人にすすめづらい」「作画以外の印象が強すぎる」と物議をかもしました。

 本作の制作を担当するのは、「ウマ娘」シリーズを手掛けるCygamesPicturesです。さすがの美麗作画なのですが、エンディングテーマでなぜかイサミたちが上裸で熱唱したり、ブレイバーンはロボットなのに口を動かしてしゃべったりと、いろいろな意味で作画カロリーが高めです。

 また、急にボクシングが始まったり、カツカレーは米が一粒一粒描かれていたりと、謎のこだわりも見られます。「なぜかちょっと気持ち悪い」「設定と作画がちゃんとした銀魂」と評判の本作、作画と共に内容も物議をかもしているようです。

『勇気爆発バーンブレイバーン』は、TBS系28局にて全国同時放送中です。「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」「dアニメストア」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

●『外科医エリーゼ』

画像はTVアニメ『外科医エリーゼ』キービジュアル (C)yuin,mini/Surgeon Elise Project

「天才外科医」と呼ばれ、数々の患者を救ってきた高本葵(たかもと あおい/CV:石川由依)は、実は前世の記憶を持っていました。前世の葵は、悪女皇帝と呼ばれたエリーゼ・ド・クロレンスで、人びとを苦しめた結果、火あぶりの刑で亡くなっていたのです。

 前世のあやまちを償おうと日々仕事に励んでいた葵ですが、ある日突然、飛行機事故にあってしまいます。葵が目を覚ますと、そこはエリーゼの部屋でした。前世の処刑10年前に転生した葵は、処刑を回避し再び医者になるため、皇太子との婚約を辞退しますが……。

『外科医エリーゼ』は、韓国の同名Web小説(著:yuin、イラスト:mini/KADOKAWA)を原作としたアニメです。「異世界×医療」という題材やストーリーには評判が集まっているものの、医療器具やダンスシーンの作画には戸惑いの声があがっています。

 医療器具の描写や病気解説が挟まれる本作ですが、器具に立体感がなかったり、人体や臓器の作画がシンプルすぎたりするシーンが見られます。モブキャラの作画も荒めで、「平成のプリキュアみたいな作画」と表現する視聴者もいるようです。

 特に第6話のダンスシーンは、「殿下のダンスに作画がついていけてない」「やめるんだ!! ダンス作画などしたら死んでしまうぞ!!」との意見も飛び交いました。現在放送中の『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』のダンスシーンが好評だった分、比較されてしまったようです。

『外科医エリーゼ』は、AT-X、TOKYO MXほかにて放送中です。「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

画像はTVアニメ『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』ビジュアル (C)藤孝剛志/アース・スター エンターテイメント/即死チート製作委員会

異世界ものの「アラレちゃん走り」に「…ん?」

●『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』

 修学旅行に向かうバスのなか、昼寝をしていた高遠夜霧(たかとお よぎり/CV:内山昂輝)は、クラスメイトの壇ノ浦知千佳(だんのうら ともちか/CV:富田美憂)に起こされます。なんと、バスは異世界に召喚されており、その先で謎のドラゴンに襲われていたのです。

 口を空けて襲ってきたドラゴンに、夜霧はひと言「死ね」とつぶやきます。するとドラゴンはあっけなく死んでしまいました。夜霧は、任意の対象を即座に殺せるチート能力「即死チート」の持ち主だったのです。夜霧と知千佳は、無事異世界で生き延びられるのでしょうか。

『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』は、同名ライトノベル(著:藤孝剛志、イラスト:成瀬ちさと/アース・スター エンターテイメント)が原作のアニメです。ネット上では背景、特にバスの作画に対するツッコミが目立ちました。

「死ね」のひと言で敵が即死するため、バトルシーンがない分作画コストが低そうな本作ですが、エンディングテーマ冒頭のバスの作画に心配の声が上がっていました。また、第6話に「アラレちゃん走り」をするキャラがふたりも登場し、作画のコストカット疑惑が叫ばれています。

 なお、一部の話数で画面の隅が黒くなる現象が起きており、「なんかの伏線?」「演出意図が不明だ」と物議をかもしました。その一方で、女性キャラの作画には高評価も集まっており、作画の評判は分かれているようです。

『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』は、TOKYO MX、MBSほかにて放送中です。「dアニメストア」「ABEMA」「U-NEXT」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

* * *

「作画はいいのにちょっと気持ち悪い」「話はいいのに作画はもうちょっと頑張れ」など、さまざまな物議がかもされた3作品でした。作画の物議ポイントはもちろん、ぜひストーリーにも注目しながら本編をご確認ください。

※配信状況は記事掲載時点のものです。