5月の大型連休を間近に控え、今年も憧れの俳優たちによるファンミーティングが続々と開催される。世界的なコロナ禍を乗り越え、久々の来日となるスターも多く、ファンの喜びの表情をマスクなしでより近くで目にできることも、俳優にとって喜びの瞬間だろう。4月にはパク・ヒョンシク、ナ・イヌらトップ俳優も来日した。今回は5・6月に開催される注目のファンミーティングをご紹介しよう。

■韓国では過去にギターの弾き語りも!「ドクタースランプ」パク・シネが5年ぶりに来日
まず5月6日(月・祝)に控えているのが、パク・シネの「2024 Park Shin Hye Asia Tour <Memory of Angel> in TOKYO」だ。

2003年に芸能界デビューしたパク・シネは、ドラマ「天国の階段」でチェ・ジウの子供時代を演じるなど、子役として出演を続けてきた。彼女の名を一躍有名にしたのは、2009年のドラマ「美男ですね」。双子の兄の身代わりとして、性別を隠しバンドマンになるおっちょこちょいだが直向きなヒロインをチャーミングに演じ、日本や台湾でもリメイクされるなど人気を集めた。以降、ラブストーリーを中心に活躍し韓流ドラマの一時代を築いていく。近年の代表作は、パク・ヒョンシクと共演したドラマ「ドクタースランプ」。学生時代に優等生として競い合った男女が医師となって再会したものの、熾烈な競争社会の中で挫折を味わい、かつての自信を失っていた。人生のどん底でもがきながらも奮闘する医師ジョンウを好演し、視聴者の共感を得た。少女のように愛くるしい瞳が印象的で、老若男女を問わず不動の人気を誇る俳優の1人だ。

多趣味で特技も多いパク・シネは、ファンミーティングでもバラエティに富んだファンサで楽しませてきた。ダンスや、過去にはソウルで行われたファンミーティングで、ファンのための自作曲をギターで弾き語るという感動のステージを見せたこともある。およそ5年振りの来日となる今回も、どんなパフォーマンスを届けてくれるか大いに楽しみだ。

■「ムービング」で心をつかまれたファン必見!チョ・インソン待望のファンミーティング
パク・シネと同じく、第一次韓流ブームから韓国エンタメをリードしているチョ・インソンも6年ぶりに来日し、ファンミーティング「2024 ZO IN SUNG JAPAN FANMEETINGJoyful Day with Zo In Sung」が5月10日(金)に行われる。

チョ・インソンはドラマでは「バリでの出来事」「大丈夫、愛だ」、映画では『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)など、スクリーンとTVを縦横無尽に越えて精力的な活動を続けてきた。近年では、親友のチャ・テヒョンとともに郊外の小さな商店を一から切り盛りする「見習い社長の営業日誌」シリーズに出演。慣れない仕事に対する奮闘ぶりや、クールなルックスながら気さくな一面に新たな魅力が感じられると評判を呼んだ。そして何と言っても、昨年はDisney+オリジナルシリーズ「ムービング」だろう。登場人物たちが特殊能力を持つマーベルさながらの本作で、チョ・インソンが演じた飛行能力を持つ国家安全企画部要員ドゥシクの容姿端麗さと、父親としての温かな顔に痺れたファンが急増した。映画『密輸 1970』(7月12日公開)の日本公開も向けて、ジャパンファンミーティングが一層盛り上がることだろう。

■アン・ボヒョン、初のファンミーティングもいよいよ開催!
Disney+オリジナルドラマ「財閥 x 刑事」が配信中のアン・ボヒョンも、日本で初めてのファンミーティング「2024 AHN BO HYUN ASIA TOUR FANMEETING 'Hello' in TOKYO」を5月11日(土)に開催する。

2020年のドラマ「梨泰院クラス」で、主人公パク・セロイの敵役グンウォン役で韓国ドラマファンの視線を集めるようになったアン・ボヒョン。憎まれキャラながら卑劣な父親の抑圧に苦悩する演技は、平凡な悪役を超える深みを感じさせた。その後も「ユミの細胞たち」シリーズのゲーム開発者、「軍検事ドーベルマン」の屈強な軍検事、「生まれ変わってもよろしく」で一人の女性を一途に愛する財閥の御曹司役などを好演。元アマチュアボクサーでランウェイモデル出身という恵まれた体型を生かしたハードな役柄や、そうしたルックスとギャップを感じさせるオタク青年といった多様なキャラクターで演技力を証明してきた。

撮影中の台本にはファンから贈られたステッカーを貼っているというアン・ボヒョン。今回はどんな楽しい時間を一緒に過ごしてくれるのだろうか。

■ラブコメディからシリアスまで、縦横無尽に演じ分けるカン・ハヌル
2023年に大阪・東京で大規模な2大都市ツアーを開催したカン・ハヌル。今年も、5月18日(土)に「KANG HA NEUL FAN MEETING in TOKYO 2024“ALWAYS”」と題されたイベントが行われる。


ドラマでは「相続者たち」などで注目を集め、「ミセン−未生−」で一層知名度を高めたカン・ハヌル。イム・シワン扮するプロ棋士への夢に破れた社会人経験ゼロのチャン・グレが、厳しい現実社会の中で成長していく本作で、カン・ハヌルが演じたエリート社員チャン・ベッキ役は屈折したプライドを持つを演じブレイクを果たす。昨年、韓国でスマッシュヒットとなり、日本でも劇場公開中の『ラブリセット 30日後、離婚します』(23)では、見た目だけが取り柄な鈍臭い弁護士役で、コメディセンスも証明した。

一方、『空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯』(17)では、主人公ドンジュを力演。日帝時代の韓国を舞台に、詩人ユン・ドンジュの詩情と波乱と満ちた生涯を描いた本作では、日本軍に無理矢理髪を剃られ屈辱を受けるシーンで実際に丸坊主になるなど凄みを見せた。また現在は「イカゲーム」シーズン2撮影の真っ最中のはずで、今後も新しい姿を見せてくれることだろう。

気骨ある役者というだけでなく、撮影に携わるスタッフ全員の顔と名前を覚えたり、プレゼントを贈るなど“美談製造機”と称えられるほど気遣いの人でもある。「自分と関わる人たちが絶対に表情を曇らせることがないようにしたい」と明かす彼が、日本のファンへ笑顔を届けに来日する。

■今年最大級のライジングスター!チェ・ジョンヒョプも来日決定
2024年の日本における韓国人俳優のライジングスターのTOPとも言えるチェ・ジョンヒョプ。待望の日本初ファンミーティング「2024 CHAE JONG HYEOP 1st FANMEETING in JAPAN First Love」が、6月1日(土)に開催。さらに6月8日(土) 、9日(日)に神戸ワールド記念ホールでの追加公演も決定した。

2022年にはバトミントン選手をテーマにしたドラマ「時速493キロの恋」で主演を務め、KBS演技大賞新人演技賞を受賞するなど、すでに演技力には定評があった。第56回百想芸術大賞で作品賞を受賞するなど、批評家から高評価を得た「ストーブリーグ」ではイップスに悩まされる野球選手を繊細に演じる。出世作となったのは、「ストーブリーグ」に続いてパク・ウンビンと共演した「無人島のディーバ」。不慮の事故で無人島に流れ着いた主人公モクハを待ち続ける幼なじみギホを演じ、自分を擲ってモクハを直向きに守り抜く姿でファンを獲得した。「Eye Love You」で、二階堂ふみ扮する会社社長・侑里の相手役を務める。他者の心の声が聞こえてしまう特殊能力のせいで周囲と打ち解けないヒロインをおおらかに包み込む年下青年“テオ君”の天真爛漫さは、日本の視聴者のハートを完全に撃ち抜いた。身長186㎝という抜群のスタイルと、見ているだけで癒やされる親しみやすい顔立ちは、新時代の韓ドラスターの到来を予感させる。

開催に先立ち日本公式ファンクラブが開設されるや否や、アクセス殺到のために一時サーバーがダウンするなど、すでに大旋風を巻き起こしている。

■昨年に続いて来日!今なお高い人気を誇るイ・ジュンギ
今なお中性的な美しさと磨かれた演技力で、韓国ドラマ界のトップに君臨するイ・ジュンギは、6月14日(金)に「2024 LEE JOON GI SPLENDOR Family Day」を開催。

イ・ジュンギのキャリアを語るうえで欠かせない映画と言えば、『王の男』(06)ではないだろうか。広大(グワンデ)と呼ばれた芸人集団の女形コンギルを演じ、その妖艶な美貌としなやかな身のこなし、何より類い希な演技力により日韓でたちまち“イ・ジュンギシンドローム”を巻き起こした。韓国では公開後、50日足らずで観客動員1000万人を突破。累計1230万超えの動員数は、『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』(06)に抜かれるまで最高記録だった。

数々の名ドラマを盛り立てて、代表作の枚挙に暇がないイ・ジュンギ。「無法弁護士〜最高のパートナー」以来2年ぶりの主演作となった「悪の花」は、家庭的だが実は残酷な過去を持つ男を熱演。人間の二面性を重厚に表現し、ストーリーをスリリングに盛り上げた演技で、作品は百想芸術大賞5部門ノミネートなど高く評価された。

「アゲイン・マイ・ライフ〜巨悪に挑む検事〜」では、人生で陰謀に巻き込まれ死に瀕してしまうも、死神と契約し再び人生に戻る熱血弁護士を熱演。高校生の役をスタントなしで自らこなし、難しいアクションシーンもクリア。アクション俳優としても評価された。近年では、架空の土地アスを舞台に描いた太古ファンタジー『アスダル年代記』のシーズン2、「アスダル年代記:アラムンの剣」でも乗馬シーンで華麗な手綱さばきを披露している。

特技はダンスとテコンドーと、やはりフィジカルに自信がある。今回のステージでも、得意の技や優美なステップを見せてくれるかもしれない。

文/荒井 南