能登半島地震の発生から4か月が経つのを前に、28日石川県輪島市で被災した建物が倒壊しました。公費による解体作業が進まないなか、危険な家屋がまだまだ被災地にはあります。

【写真】建物倒壊の瞬間 公費解体進まぬ中被災地は危険な家屋が放置

「メキメキ言うとるぞ!」

建物からはバキ、バキと割れるような音が響き、崩れていきます。

28日夕方、地震の影響で傾いていた輪島市鳳至町の旅館が倒壊しました。

28日(土)午後6時半ごろ 輪島市鳳至町


撮影した人「最初は旦那が『車から降りたらメキメキ聞こえる』と言って。(建物の)後ろ側が崩れていたらしい。そこと境目が割れてきてるねとは言ってたらしいけど。怖かったしビックリの方が強かった」

建物の倒壊から2日が経った30日、現場ではがれきの撤去作業が行われていました。


元日の地震から4か月が経った今も、周囲には傾いた家屋が多数残っています。鳳至町ではほかにも倒壊した建物があるということです。

近くの住民「この間も夕方ごろ家にいたら、急にドドドと音がしたので外に飛び出したら元々半分崩れていた家が半分崩れた。一刻も早く公費解体を進めていただけたら」

輪島市によりますと、現在は特に危険性が高い建物について公費による緊急解体が行われていて、申請を受けた121棟のうち69棟の解体を終えました。

そして、29日までにこれとは別に公費解体の申請を2146棟受け付けていますが、こちらは実施のめどは立っていないということです。

倒壊のおそれがある建物がまだたくさん残るなか、市民生活やボランティア活動を続けざるをえない現状が浮き彫りになっています。