ヒシ取り用の船に皆のメッセージを−。諏訪湖に大量繁茂する水草ヒシの除去作業に取り組む諏訪市セーリング協会と諏訪湖ライオンズクラブ(LC)が、継続的な活動で傷んだ船を修復し、きれいにした船体に諏訪湖に対する思いを書き入れてもらおうと計画している。環境意識の向上や、保全・再生活動の弾みにつながれば−と発案。6日は地域の高校生を交えて2隻に船舶用塗料を施し、船体を真っ白なカンバスにした。

 夏秋期に湖面に葉を広げるヒシは水質浄化に一定の役割を果たす半面、航行障害や景観悪化、湖底の貧酸素化などを招いている。同協会は、船上からの抜き取り作業に長年協力。同LCの寄付やテンホウ・フーズなどの支援を得て傷んだ船を修理し、エンジンを乗せ換えた。

 同LCも諏訪湖のヒシ取りを重点に位置付け、市セーリング協会から譲り受けた中古の船を新装し、活動に一層力を入れることに。大郷正人会長は「諏訪湖がきれいに、遊び場になるように取り組みたい」と意気込む。

 6日の作業には、東海大諏訪高校(茅野市)2年の小平大央さん(16)が同級生3人とともに参加し、船の表面をきれいにしてからローラーで白い塗料を塗っていった。上諏訪中学校時代には校友会長を務め、諏訪湖を良くする活動を公約の一つに。船上から手作業でヒシを抜く活動を体験し、同協会と縁ができた。

 一般市民にも呼び掛けて諏訪湖に対する思いや願いを書き入れてもらう計画。子どもや若者が参加しやすいよう大型連休後半に行う方向で検討している。同協会の横山真会長によると、2隻はともに定員7人。ヒシの繁殖抑制手法の検討に向け、今年度試行が予定されている春先の早期作業にも用いる。

 「ずっと、諏訪市に住んでいる。諏訪湖をきれいにしたいという思いを持ち続けている」と小平さん。塗装用ローラーを動かしながら「船体に書くメッセージはこれから考えたい」と話した。