上伊那医師会(髙山伸会長)は、「上伊那医師会附属准看護学院」(伊那市狐島)を移転新築する。老朽化に伴う建て替えで、建設予定地は同市荒井の富士塚スポーツ公園運動場西側。近く造成工事を始め、秋から冬ごろ本体工事に着手。2026年4月の開校を目指す。

 同学院は1952年に設立された。定員は40人。2年間の課程で、准看護師資格を目指す。現在の施設は66年の建築で、60年近くが経過し老朽化が進んでいたことから建て替えを検討。現地(約2500平方メートル)での建て替えは手狭になると判断し、一昨年に建設用地として約4000平方メートルを取得した。

 計画では、新施設は木造2階建てで、延べ床面積は約1000平方メートル。これまで通り医師会館(医師会事務局)を併設する。定員については、近年は定員割れが続き、ここ数年はコロナ禍もあって20人前後にとどまっていることから30人とする。

 建設予定地は農地だった場所で、まとまった土地が確保でき、交通の利便性なども考慮。また、上伊那広域消防本部にも近く、災害時には医師会の「災害医療本部」として活用することも想定しているという。

 建設にあたっては、上伊那広域連合を通じて上伊那8市町村から約9000万円の支援を受けるほか、県からも約9000万円の補助を見込む。県の補助採択を待って秋ごろ入札、業者選定を行い、冬までに本体工事に着手していきたい考えだ。

 医師会事務局は「依然として看護師不足が続いており、准看護師の需要も高い」と説明。「自前で養成していくことで、こうした需要に応えるとともに、地域医療にも貢献できる」と強調する。また、新施設となって教育環境も向上することで「学生も集まってもらえるのではないか」と期待する。

 現施設の後利用は検討中という。