岡谷市の西堀名木保存会は7日、毎年恒例の「こぶしの花占い」をコブシの木がある同市堀ノ内の横河川右岸で行った。記録が残る中で白い花が咲かず、つぼみの状態で占うのは初めて。会員30人余が集まって話し合い、期待を込めて今年の世相を「中の上」とした。

 コブシの木は、県道下諏訪辰野線の横河川橋から約60メートル下流に植わる。同会によると、今年の開花は3月の降雪の影響で、昨季より2週間以上遅い。参加者は木を見上げ、つぼみの向きや膨らみを確かめながら占った。

 近くに住む保存会代表世話人の河口富男さん(83)は元日に起きた能登半島地震に触れ、「変化の大きい年ではないかと心配する年明けだった。初めてつぼみで占うことになったが、これから上向きになっていけば」と願った。

 かつてはこの地に「名木辛夷」と呼ばれる樹齢300年余の大樹が植わり、開花時期に地域住民が集まって「花が上向きなら豊作、下向きなら凶作、横向きだと風に注意」などと、農作物の豊凶を占っていたという。同会によると、現在の木は2代目で、周辺に農家が減った今では1年間の世相を占っている。