少年時代の母国の思い出でもあるツリーハウスを地域の子どもたちに楽しんでもらおうと、長崎県諫早市に移住したベトナム出身の男性が日曜大工の腕前を生かし、私有地である高来町善住寺の雑木林に1棟を手作りした。一般に開放しており、「自然を満喫してほしい」と話している。
 男性は、日本国籍を取得した福田町の中瀬謙さん(50)。約30年前に技能研修目的で来日し、東京などで働いた。「観光で訪れた長崎の自然に引かれ」、約20年前に本県に移住。現在は外国人の人材派遣業を営む傍ら、農業と畜産も手がける。
 少年時代、「屋根の上で昼寝をしたり、泊まったり」と週末や夏休みの楽しいひとときをツリーハウスで過ごした中瀬さん。自然に囲まれた場所でキャンプ場を開設したいと昨年、約3万平方メートルの土地を購入し、その一角に建てることにした。
 4本の立ち木を活用し、地面から数メートルの位置に土台となるデッキを設置。その上に縦、横、高さ各約2メートルのツリーハウスをこしらえた。窓やデッキからは、かつて農業用水に使われていたため池が一望できる。
 敷地内にはこれからログハウスなどを整備し、来年のキャンプ場開設を目指している。中瀬さんは「ツリーハウスで日常生活とは違った時間、空間を楽しんでもらえたらうれしい」と話している。
 場所は「いこいの村長崎」そば。子どもの利用には保護者同伴を呼びかけている。問い合わせは中瀬さん(電090・6899・3253)。