3月14日はホワイトデー。一般的に、バレンタインデーにチョコレートをもらった男性が、そのお返しとして女性にプレゼントを贈る日とされている。一方でここ数年競馬界を賑わせている“ホワイト”と言えば白毛馬。ということで、JRAで活躍した白毛を紹介したい。

 最初に触れたいのは、いわゆる「白毛一族」の祖であるシラユキヒメ。青鹿毛の父サンデーサイレンスと、鹿毛の母ウェイブウインドから、突然変異の白毛として生まれた。現役時代は9戦0勝。残念ながら勝利には手が届かなかったが、JRAで初めて馬券に絡んだ白毛となった。

 競走馬としては輝かしい成績を残すことができなかったシラユキヒメだが、繁殖牝馬としては素晴らしい成績を残した。ユキチャンは08年の関東オークスを8馬身差で圧勝し、白毛で初の重賞制覇を達成。名前の通り、鹿毛の斑点が特徴的だったブチコはオープン、シロニイとブッチーニは準オープンまで出世した。

 さらにシラユキヒメが素晴らしいのは、繁殖となった7頭の牝駒が白毛一族を発展させたことである。中でも優秀だったのはブチコで、2頭のGI勝ち馬を輩出。ソダシは白毛として初のGI勝ち馬、さらには初のクラシック勝ち馬となるなど、3つのGIを含む重賞6勝を挙げた。また、ソダシの全妹のママコチャは白毛ではなく鹿毛ではあったが、昨年のスプリンターズSを制している。他にもマシュマロからは白毛として初のJRA重賞勝ち馬となったハヤヤッコ、ユキチャンの孫の代からは、鹿毛ではあるが重賞6勝のメイケイエールが出ている。

 もちろん、白毛一族は更なる発展が見込める。現3歳世代のエースはユキチャンの産駒であるアマンテビアンコ。先月の雲取賞は惜しくも2着だったが、ダート3冠路線の中心的存在だ。また、今年から繁殖となったソダシには、白毛の母仔2代でのGI制覇という大偉業が期待される。初仔のデビューは早ければ3年後の夏。その時を心待ちにしたい。