【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【アルザオ】

 現役時代はイタリアでG3を勝った程度で、地元フランスでは重賞を勝てませんでした。ただ、当時世界的に注目を集めていたリファールの仔で、母レディレベッカの半兄にチーフテン、トムロルフという名馬がいる良血。さらに、同じ父のダンシングブレーヴとよく似た配合構成だったこともセールスポイントで、アイルランドで種牡馬入りすると大成功を収めました。

 産駒は硬めの芝を得意とし、距離適性は幅広く、牝馬が走る傾向が見られ、瞬発力に特長がありました。代表産駒の一頭ウインドインハーヘアはドイツのG1を制覇。引退後、日本でサンデーサイレンスと交配し、ディープインパクトを産みました。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「繁殖引退のダイワスカーレットの血が入っている馬で血統的に注目馬はいる?」

 ダイワクンナナです。父ノヴェリストはドイツ血統で、種牡馬として成功したわけではありませんが、その異質な血統構成から母の父として期待できるのではないかと思います。

 ダイワスカーレットの娘ダイワクンナナは、現役時代に3勝。現在は繁殖牝馬となっています。ダイワクンナナと同じ「ノヴェリスト×アグネスタキオン」の組み合わせから誕生したクェスタボルタは、母となってカンチェンジュンガ(父ビッグアーサー/現オープン)を産んでいます。ダイワクンナナは馬格があり、競走成績も上々。繁殖牝馬としてダイワスカーレットの直系子孫から初の重賞勝ち馬を出せるのではないか、と注目しています。

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