弁護士の北村晴男氏(68)が20日までにYouTubeチャンネルを更新。ドジャース大谷翔平投手(29)の銀行口座から総額1600万ドル(約24億円)以上を盗み、銀行詐欺容疑で訴追されている元通訳の水原一平容疑者(39)の問題で、自身のこれまでの見解について大谷に謝罪した。

北村氏は「実は私、本当に大谷選手に申し訳ないな、と思うことがあります」と切り出すと、「一発目の報道はこういう内容でしたね」と発覚当初の報道を回想。米国50州のうち38州がスポーツ賭博が合法だがカリフォルニア州は違法であることを説明し「大谷選手や水原一平が、賭博が違法であることを知らないで、(大谷が水原容疑者から)賭博で作った借金の肩代わりを申し込まれて『しょうがないな、もう2度とやるなよ』といって、助けてやった、という説明を、一平氏がしましたよね。いかにももっともらしい話でした。その直後に、水原一平氏が『いやいや、あれはウソだ』と。大谷選手が知らないところで自分が金を盗んだんだ、ということを直後に言い換えました」と振り返った。

北村氏は「その時、どっちが本当なんだろうか、と考えると、正直言いますと、7割方、大谷もたぶん人が良さそうだから、しかも大金を持っているでしょうから、自分を今まで助けてくれた一平が賭博の借金で苦しんでいる…肩代わりしてくれ、と言われたら『しょうがないな』と思って、肩代わりしてくれた可能性が7割ぐらいあって、カリフォルニア州で賭博が違法と知らなくて、そうだとするとエライ事になったな、と(なったのでは)」と、当時の推論を釈明した。

続けて「法律の格言でこういうのがあります。『法の不知はこれを許さず』」と前置きし「つまり『法律を知らなかったから許してあげましょう』というのは法律の世界ではありません。その場合は処罰される、ということ」と紹介。仮に大谷が関与していれば米国では日本ほど情状酌量も考慮されず「重い罪に問われる可能性があった」と指摘し「そうなれば困るから、一平氏が大谷を守るために供述を変えた可能性が7割ぐらいあるのかな、と思っていた」と明かした。

北村氏はここで「申し訳ございませんでした」と大谷に向けて謝罪。「どんなに良い人間に見えても、とんでもない人間がいる、っていうのは、我々の仕事上、よく知っているはずだったんですが、間違えました」と話し「大うそつきにだまされた自分を恥じております」と、水原容疑者を断じた。

水原容疑者が大谷に肩代わりを依頼し、大谷が拒否したことにも言及。「ここでもし万一、大谷選手が『しょうがないな、そいういうことにしてやるか』と思って、一言でもそういう風に言っていれば、大変なことになってました。大谷の野球人生、終わったかもしれない。そこは大谷選手、判断間違えなくて良かったなあ、と思います」と語った。

また北村弁護士は、先月の事件発覚後初の大谷の会見で、質疑応答が設けられなかったことにも「しょうがないです」と理解を示した。「刑事手続きが進行中ですから。辺に質問を受けてやりとりして、ちょっと言い間違えたりすると、それが独り歩きして大変なことになることはよくある」とし、弁護士との原稿チェックなどをへて、発表できる事実関係のみ伝えたことを「正しい判断だった」とした。