ドジャース・大谷翔平(29)が日本時間11日、敵地ミネアポリスでのツインズ戦に「2番・DH」で出場。3打数1安打で7試合連続安打とした。

 2−3と1点を追う七回、フリーマンの二塁打で一塁から激走して生還したが、チャレンジの結果、アウトになり同点のホームを踏めなかった。

 前日(10日)の試合では三回に二塁打を放った。大リーグ公式サイトによれば、1901年以降、開幕から14試合で12長打は球団記録だという。

 今季の大谷は主にDHでの出場が予定され、昨季までの投打の二刀流とは異なる上に、守備に就かない可能性もある。そのため、選手の貢献度を示すWAR(Wins Above Replacement)が伸びず、MVP争いでの不利が予想されていた。が、開幕間もないとはいえ、WAR0.7はナ・リーグ5位(10日現在)。リーグトップの同僚ベッツ(1.4)には差をつけられているものの、上位に名を連ねているのは意外だ。

 今季は貢献度が加算されにくい状況にもかかわらず、WARが高いのはどういうわけか。

 大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。

「WARは『ファングラフス』と『ベースボール・リファレンス』の2つの野球データサイトが発表しており、それぞれ必要な要素は異なるものの、主に打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して算出されます。大谷は長打が多い上に、12得点はリーグ2位タイ。得点への貢献度を示すОPS(出塁率+長打率)は1.019(リーグ9位)で、超一流とされる1.0を上回っている。まだ1盗塁とはいえ、積極的な走塁もポイントとして加算されているのでしょう。3日(日本時間4日)のジャイアンツ戦では4番スミスの左翼線への二塁打で一塁から一気に生還するなど、随所に好走塁を見せています。WARでリーグ上位に名を連ねているのは、加算されない守備での不足分を補うかのような打撃と走塁によるハイパフォーマンスを披露しているからではないか」

 今春キャンプでの入念な走塁練習が実を結んでいるといえそうだ。

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 野手専念として目を見張るような成績を残しているが、本来の大谷の価値は投打の「二刀流」だ。しかし、投球面において拭いきれない不安点がある。

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