カタール1部アルラヤンに所属する日本代表DF谷口彰悟(32)がこのほど、ドーハ市内で取材に応じ、パリオリンピック(五輪)五輪アジア最終予選兼U−23アジアカップ(杯)カタール大会に出場中のU−23日本代表にエールを送った。初戦中国戦前にはチーム宿舎を訪れて直接激励。若きサムライたちのパリ五輪切符獲得を願った。【取材・構成=佐藤成】

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若きサムライたちには、心強い兄貴がカタールにいる。同国1部アルラヤンに所属する日本代表DF谷口彰悟(32)だ。日本の初戦の前にはチームホテルにあいさつに訪れた。急きょ全員の前で話すように促され「勘弁してくださいと言ったんですけど、偉そうにしゃべってきました(笑い)」とさわやかに振り返った。どんな「想定外」にも対応できるよう、準備の大切さを説いたという。

カタールで日本を背負って戦う後輩たち。優勝争いまっただ中のリーグ戦前日にもかかわらず、中国戦をスタンド観戦した。「初戦であんなにタフなゲームを経験できたのは、今大会の今後に必ずつながると思うし、見ていてみんな頼もしかったですね」と目を細めた。

欧州トップリーグで活躍する面々がそろう日本代表に、カタールリーグから選出され続けている。環境やレベルに言い訳することなく、高い基準を持って取り組む日々だ。弟分の奮闘を生で見て、刺激を受けた。 「“A代表で待っている”なんて、そんな偉そうな立場ではないので、僕も(笑い)。みんなに負けないように食らいついていかないといけない。みんなうまいし、戦えるし。でも、ちょっと若さが見えるなというのもある。ただ、そうやってみんな強くなって成長していくし、僕も負けないようにやっていかないと」

チームが当地入りした4月上旬は涼しい日々が続いたが、ここ2、3日は日差しの強い中東らしい天気となっている。「タフなゲームは続くと思うので、どれだけ回復できるかというのは大事かな、と。連戦になると思うので、回復に努めてほしいなと思います」と気遣った。

1〜2月のA代表のアジア杯カタール大会では8強止まり。自身も2試合の出場と不完全燃焼に終わった。その悔しい思いも彼らに託す。「全力で僕は応援しています」。パリ五輪への出場を心から願っている。