◆福岡六大学野球春季リーグ戦第1週第1日 九産大9―1九工大(7回コールド)

 3季連続のリーグ優勝を狙う九産大がコールド勝ちでスタートした。2回に1番浦田俊輔(4年・海星)の適時三塁打で2点を先制。続く2番辰見大成(4年・東海大福岡)の適時打などで、この回4点を挙げて勢いをつけた。6点リードの6回には9番岩下天翔(3年・千原台)のソロ本塁打などで3点を追加しコールド勝ちを決めた。

 大学日本代表候補の浦田は右翼越えの打球に「まっすぐを狙った。最初から三塁を狙っていました」と50メートルのベストタイムが5秒8という俊足で一気に三塁を陥れた。他の3打席は出塁できず盗塁の機会はなかったが「常に次の塁を狙っている」と走塁の意識は高い。

 昨年12月の大学日本代表候補合宿では周囲のレベルの高さに刺激を受け、練習に対する意識も変わったという。「自分の結果よりチームを勝たせたい」とチームの勝利が一番だが、2季連続の盗塁王に加え首位打者、打点王、最優秀選手賞という4タイトルを目標に掲げ、1番打者としてチームを引っ張っていく。

 浦田に負けじと俊足をアピールしたのが2番の辰見だ。2回は浦田を三塁に置いて左翼への適時打、4回は中越え三塁打。2安打1打点に2盗塁を決め、出塁した3度ともホームを踏んだ。「自分は足が売り。出塁して次につなぐことを意識しています」。兄は楽天の辰見鴻之介。昨年支配下登録され、今季は一軍に初昇格。俊足を武器にチームのサヨナラ勝ちに貢献するなどアピールした。「自分も頑張ろうと思った。自分も結果を出すしかない」と一軍定着を目指す兄の活躍を刺激にスタメン定着に猛アピールを続ける。

 大久保哲也監督は「今年は投打にバランスが取れたチーム。1、2番は出塁率が高い2人を置いています」と「足攻」でのチャンスメークに期待する。2人のスピードスターが九産大を引っ張っていく。

(前田泰子)