体重が増えてしまった人に朗報!
増えた体重を減らすだけでなく健康的に痩せ体質を目指すダイエットには、コツがありました。

この人に聞きました!
栄養管理士・パーソナルトレーナー
河村玲子さん
新体操などの競技経験があり、大手フィットネスクラブ勤務を経て独立。カナダで管理栄養士トレーナーとして活動後、栄養と運動の専門的な知識を持つパーソナルトレーナーとして幅広い世代の体づくりをサポート。


体重が定着するその前に
「たんぱく質多め」の食事でリセット!

突然食事抜きなどの過度なダイエットをすると体を壊しかねません。健康的に正月太りを解消できる方法を、運動と栄養の両面から体づくりを指導している、河村玲子さんに教えていただきました。

「食べ過ぎで短期間に体重が増えた場合は、脂肪として定着する前に食事を整えることで体重は落とせます。例えば年末年始の2週間に食べ過ぎたなら、その後同じ期間(2週間)、糖質と脂質の摂取量を減らし、その分たんぱく質をとりましょう。
糖質や脂質はエネルギー源になる役割があり、余分に摂取すると体内に脂肪として蓄積されやすい。一方たんぱく質は筋肉や内臓の材料になる役割なので、他の栄養素と比べて脂肪になりにくい構造をしています。
余った分はほとんどがエネルギーとして消費されますし、40・50代は意識してとりたい栄養素です」


「筋トレもプラス」して健やかな痩せ体質へチェンジ!

食事でたんぱく質を摂取するなら、筋トレも合わせてやらなくては損! と河村先生。

「自宅で手軽にできる筋トレで多くのカロリーを消費することは難しいのですが、とはいえ、筋トレをして筋肉が1kg増えると基礎代謝量が1日約50kcalもアップした、という研究結果も。微々たるものとはいえ、筋トレを長期的に継続すれば、痩せやすくなるといえます」

しかも、筋肉は消費カロリーが高い分、日常生活に必要でないとみなされた分はどんどん減っていきます。また加齢とともに筋肉の合成能力も低下するので、いつも通りに暮らしているだけでは筋肉量は減っていってしまいます。

「正月太りの解消を機に、たんぱく質を意識した食事に加えて筋トレを習慣にして、痩せ体質と健やかで美しいボディラインを手に入れましょう」

SMIとは筋肉の量の評価値。
加齢によって筋肉の量は右肩下がりに減少、特に減りやすいのが下半身と言われています。

たんぱく質多めの食事を3食バランスよく!

お菓子をやめる、主食の量を控えめにするなど、食べる総量を減らすのは前提。さらに炭水化物(糖質)と脂質を減らし、その分たんぱく質を多めにとりましょう。

「たんぱく質の目安は、通常は体重1㎏あたり1〜1・2gですが、ダイエット時には1・5〜2gに増やします。また、たんぱく質は一度にまとめてではなく、こまめにとることも重要(理想は3時間おき)。
加えて主菜だけで摂取量をまかなおうとすると塩分や脂質も増えてしまうので、サラダに低脂肪のチーズを加えたり、プロテインなども取り入れるとより◎」(河村さん)

この3 つの食材がおすすめ!

鶏もも肉

理由
肉は動物性たんぱく質を手軽に摂取できる食材で、なかでも低脂質なのが鶏肉。脂質が少ない代表格は鶏ささみですが、皮を除けば鶏もも肉も脂質をぐんと減らせ、食べ応えも◎。

取り入れるコツ
皮は脂質が多いので、料理する前に取り除きます。ゆでる調理法なら、脂質をさらに落とすことができます。

【おすすめレシピ】
ササッと作れる棒棒鶏 (たんぱく質24g)

【 材料(2人分) 】
鶏もも肉…1 枚
もやし…1 袋
ごまだれ(低脂肪タイプがおすすめ)…適量
食べるラー油…適量
パクチー…お好みで

【 作り方 】
①鶏もも肉は皮を除く。

②大きめの鍋に水を入れて沸騰させ、①を入れて火を止め、ふたをして30分ほど置く。30分後、取り出して幅1㎝厚さに切る。

③もやしは洗って600Wの電子レンジで約2分加熱。

④皿に③、②を載せ、ごまだれと食べるラー油をかける。お好みでパクチーを添える。

ギリシアヨーグルト

理由
ヨーグルトの水分を切ったもので、通常のヨーグルトよりもたんぱく質を多く含みます。そのまま食べるだけでなく料理にも使えるので、常備しておくと便利。

取り入れるコツ
脂質の多いマヨネーズやドレッシングの代わりに使うのがおすすめ。脂質を抑えつつ、たんぱく質を多くとることができます。

【おすすめレシピ】
満足感◎! コロコロパワーサラダ (たんぱく質27.4g)

【 材料(2人分) 】
市販のグリルチキン(蒸し鶏でも可)…80g
ゆで卵…2個
ブロッコリー1/5 房分
サラダビーンズ…1袋(50g)
ギリシャヨーグルト…100g
コンソメパウダー…少々
オニオンパウダー‥少々
パプリカパウダー…お好みで

【 作り方 】
①グリルチキンを一口大に切る。

②ブロッコリーを一口大に切り、沸騰したお湯でゆで、ざるに上げて水を切る。

③ボウルにA を入れ、①、②、サラダビーンズを入れて混ぜる。ゆで卵を加え、スプーンでほぐしながら和える。

④皿に盛り、お好みでパプリカパウダーを添える。

カッテージチーズ

理由
脱脂乳からつくられたチーズなので、チーズの中でも低脂質、低糖質、低カロリーでありながら、生乳のたんぱく質やカルシウムなどの栄養素はしっかり残っています。

取り入れるコツ
サラダやマリネなどにそのまま乗せれば、簡単にタンパク質摂取量を増やせます。淡白な風味なので、幅広い料理に合います。

【おすすめレシピ】
カッテージチーズとサーモンのカルパッチョ (たんぱく質24.7g)

【 材料(2 人分) 】
カッテージチーズ…160g
スモークサーモン…100g
ミニトマト… 3 個程度
パプリカ…1/2 個
ベビーほうれん草…1 袋
オリーブ…適量

【 作り方 】
①ミニトマトは半分に切る。パプリカはへたと種、わたを除き、縦に1cm 幅に切る。

②ベビーほうれん草を皿にのせ、その上にカッテージチーズ、スモークサーモン、ミニトマト、パプリカ、オリーブをバランス良く盛り付ける。


撮影/古家佑実[SORANE] イラスト/ tent 文/中山恵子 協力/UTUWA

※大人のおしゃれ手帖2024年2月・3月合併号から抜粋
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