人気アーティストと考える「洒落顔」の正解【笹本恭平さん編】vol.3

ファッション同様にビューティも、雑誌「オトナミューズ」が創刊から掲げてきたのは、“シンプルだけど洒落てるメイク”。10年経ってもそのテーマは不滅ですが、シンプルの定義や何がおしゃれ感を作るのかは、変化しているはずです。そこで笹本恭平さんに、2024年流の「大人の洒落顔」を提案してもらいました。

ベースのレイヤードとアイシャドウ使いが決め手
笹本的、ネオコンサバな洒落顔の作り方

ここからは笹本メソッド・実践編!  ネオコンサバの王道ともいえる、こちらのヨンアさんメイクのハウトゥを徹底解説してもらいました。

シャツ¥24,200(リノ/グッドスタンディング)、パンツはスタイリスト私物

コンサバなのにエッジー、そんな新ジャンルを切り開いてきた笹本さんが大人の洒落顔に一番必要だと思うのは、流行りの要素をいかに自分の顔になじませるか。「アラフォーともなると、ただトレンドを取り入れるだけでは浮いてしまうことも。メイクがその人に溶け込んでいないと洒落て見えないんです。例えば目の下を強調するアイラインのように、キャッチーだけど普段の自分とは遠いものにトライするときほど、とにかくボカす!  やり続けるとどんな要素も不思議と似合ってきて、垢抜けた顔になります」

【Lip】
赤みを感じるブラウンで女らしさも洒落感も

「今シーズン、特に注目しているのは柔らかなイメージを作り出せる赤みが強めのブラウン。今回使用したシャネルは、唇の色とナチュラルに調和するのでそのまま塗っても素敵ですが、ボカし使いするとさらにこなれた表情を作れます。リップだけが浮いていないか?  姿見でファッションとのバランスも見ながら濃さなどを調整するのもマスト」

ブラシやスポンジで“曖昧な唇”を演出

内側に直塗りしてから、毛先がラウンドしたアイシャドウブラシかスポンジ(なければ指でもOK)で実際の唇より外側に塗り広げ、輪郭をボカす。

“夜を楽しむシェード”として生まれた、マット寄りのウォームブラウン。ルージュ アリュール ヴェルヴェット ニュイ ブランシュ 04:00 ¥6,600(シャネル・3/29限定発売)

【Eye】
きらめくミュートカラ−で横長に作る旬なまなざし

「気分なのは目尻の外側までメイクして切れ長っぽく見せる目元。まぶたには色よりもパーリーな質感重視のアイシャドウを。印象がぼやけがちな大人アイには引き締め役も必須ですが、アイラインと根元にだけマスカラをたっぷり塗るテクで十分小細工できます(笑)。あるべき色(黒系)をあるべきところ(キワ)に足すだけでまつ毛が増えたように見えて目力アップに」

4つのヌーディ色でまぶたをメイク!

3のグリッターベージュを眉下まで広く入れ、2のマットベージュを二重幅にON(実際の目尻より先まで)。さらに★の茶を下まぶたに塗ったら、1を目頭から眉に繋がるように入れて陰影づけを。

「どう塗っても今年らしくなるので大活躍中」。ケイト ポッピングシルエットシャドウ OR-1 ¥1,540※編集部調べ(カネボウ化粧品)

目のキワに茶&黒を忍ばせ目力を

伏し目にして、上の目のキワにbのダークブラウンで細いラインを引く。実際の目尻よりも少し長めに入れるのがポイント。上まつ毛にはaを。根元にはたっぷり、毛先には軽く塗るようにして。

a自まつ毛1.5倍の長さに。ラブ・ライナー オールラッシュ マスク ロング&セパレート ディープブラック ¥1,760(msh) bシルキーリキッドアイライナー ナチュラルブラウン ¥1,430(ディー・アップ)

笹本恭平さん
ヘア&メイクアップアーティスト。ファッション誌やビューティ誌などで、その人自身や服にさらりとなじむヘアメイクを提案。エッジとコンサバ感を絶妙に同居させた、独自のテイストが評判に。著書に『コンサバメイク革命』(講談社)がある。

photograph:YUYA SHIMAHARA[UM](model), KAZUTERU TAKAHASHI[KONDO STUDIO](still) styling:AKIKO KIZU hair & make-up:KYOHEI SASAMOTO model:YOUN-A text:CHIHIRO HORIE

otona MUSE 2024年5月号より