中国のSNSで「日本人が夜中にイチゴを持ってきた」との中国人留学生の投稿文が注目を集めている。

日本で学んでいる当事者の留学生によると、ある日の夜、スーパーで買ってきたスペアリブやトウモロコシで「排骨湯(スペアリブのスープ)」を作っていた。昼間はゲーム三昧だったことから午後11時を過ぎてから調理を開始。翌日に食べるためのものだった。窓を開けて換気しつつ、ゲームをしながら煮込んでいたところ、午前1時ごろに突然呼び鈴が鳴った。

出前も頼んでおらず、この時間に宅配便も届くはずはないことから、アパートの住人であろうことは予想がついた。のぞき穴をのぞくと男性が一人立っていた。周囲に何か迷惑なことをしていたのかと思い、どうやって謝ろうか考えつつ、チェーンをかけたまま恐る恐るドアを開けると、相手の男性が「すみません、大変申し訳ありません」と先に謝ってきた。

男性は「おいしそうなに匂いがしているなあと思いまして…」と言い、イチゴ1パックを差し出して料理と交換してくれないかと頼んできたという。留学生は「その後、彼が話す言葉の8割は聞き取れなかった。聞き取れたのはスープと交換してほしいということだけだった」とし、「彼は器も持ってきていなかった。訳の分からないまま、自分の器にスープをよそって彼に渡した。彼は明日洗って返すと言い、うれしそうに帰っていった」と説明した。

直後、隣の部屋のドアが開いて閉まる音が聞こえたため、「毎朝私より早く家を出て、私より遅く帰ってくるあの社畜さんだ」と気付いたとのこと。留学生は「私と彼は普段、まったく顔を合わせない。(他人に干渉しない)日本人がこんな“日本人らしくない”ことをするとは、全く想像していなかった」と驚いたことを明かした。

また、友人にこの出来事を話したところ「夜中に知らない人が来たらドアを開けない方が良い。危ないよ。スープもあげなくていい」と言われたという。しかし留学生は「それはもっともだけど、夜中にお腹を空かせてどうしようもない社畜の頼みを誰が断れるのか」とつづり、もらったイチゴのパックの写真を添えた。

SNSより

この投稿は大きな反響を呼び、SNS・微博(ウェイボー)では「日本人のお隣さんにイチゴと排骨湯を交換させられる」がトレンド入りした。

ネットユーザーからは「いい話」「ははは、かわいい」「彼は少なくとも1時間は匂いにもだえていたのだろうな」「きっと家に帰るのが遅くて食べ物がなく、お腹が空いてどうしようもなかったんだね」「日本人もやっぱり人間なんだな(笑)」「今度彼に『おなか空いた。ご飯』って中国語を教えてあげな」「これはまるで『作りたい女と食べたい女』(日本のテレビドラマ)じゃないか」といった声が上がった。

また、中国では日本人は内向的な人が多いという認識が一般的なことから、「確かに日本では驚きの出来事だ」「もし断ってたら彼は自分の部屋に戻った後、心が砕けていたんじゃないか」「日本人ってオタクで、自分が他人に迷惑をかけるのも、他人が自分に迷惑をかけるのも嫌う。それでも勇気を出してスープもらいに来るって、相当おなか減ってたのかな」との声も。

さらに、男性がイチゴを持ってきたことについて「日本では果物は(中国に比べて)高いらしい。どうやら、本気でスープを飲みたかったみたいだね(笑)」「イチゴと排骨湯じゃやっぱり損した感は否めない」などのコメントや、「かわいらしい話。でも私の第一印象は相手が悪い人だったらどうしよう。第二印象はイチゴに薬が混入されてたらどうしよう(笑)」「深夜1時にドアを開けるって、かなり大胆だな」と警戒心を持つべきとの意見も出た。

このほか、「中国人って、食べ物をねだられると断れないんだよね(泣)」「私が気になるのは、スペアリブがちゃんと柔らかくなっていたかどうかだけ」というコメントも寄せられている。(翻訳・編集/北田)